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2017/07
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証券会社は投資家のニーズをどう考えるのか
証券会社にとって最も重要な事は、“投資ニーズ”を捉えると言うことだが、リテール証券にとっては個人投資家の投資ニーズをどう引き出し、そして投資行動まで決断させる為にどう支援するか、証券営業の現場では常に悩んでいる。一般の企業なら、顧客とのコミュニケーションは普通のことだが、膨大な投資関連情報と複雑な金融商品を扱う証券会社の営業現場にとって、誰に、何を、何処まで説明するか、法規制や社内ルールに沿って行うと、つい一方的な情報の提供になることもある。投資家からすると、投信の説明を1時間以上聞いても、その説明に不満が残るようなケースが時として指摘されるのは、投資家の真のニーズを踏まえた会話が成り立っていない為とも思われる。

 そのような業界の悩みは、現在日本証券業協会で行われている「証券市場の新たな発展に向けた懇談会」の商品・サービス分科会での議事概要からもうかがい知れる。一応、昨年11月に実施された証券投資についてのアンケート結果を受けて、投資家との接点のあり方について議論されているようだが、主な意見の内容をかいつまんで見ると次の様なものだ。(標題は、筆者の仕分け)
【個人投資家とのコミュニケーションについて】
・相当丁寧に説明しているにもかかわらず、投資家から不満がでることところが問題
・投資の初心者には銀行が前に立って対応すべき
・誰に何を説明していくか、重要であるが、その為に証券や銀行は様々なメッセージを発信していくことが大切
・説明する現場に、リスク説明におけるリスクの実感が無いのではないか
【投資への導入として確定拠出年金(DC)の役割】
・まだDCの制度が固まっていなく、ビジネス規模(制度加入者380万人)としても小さい
・DCを活用して一般の方々の投資に関する意識を向上させるべき
・現状ではコスト高で余り利用も勧誘もされていない個人型DCをもっと活用すべき
【投資教育・社員教育について】
・自己責任原則や説明内容を理解してもらう為の投資教育は必要
・営業現場への販売教育も必要
【その他】
・約2000社で200万人が対象とされる持株会や財形貯蓄も投資家との接点として見直すべき

 以上の議事概要を見て率直に思ったが、証券業界は未だ投資家とのコミュニケーションに組織的に慣れていないように思う。何故だろうか。その大きな原因は、証券会社の社員自らが投資家としての経験が余りないことにあると思う。つまり金融商品や金融サービスを投資家として自ら使ったことが無い、若しくは使えないから、投資家目線に立ったメリット・デメリット(主にリスク)の説明がされず、情報提供が一方的になりがちになる。
確かに証券会社の社員は、法規則で投機的な有価証券の売買が禁止されているが、何か投機的かというのは社内ルールで定めれば良い。又、地場受けの禁止から、自社にない金融商品や金融サービスを他社で受けることも現在は事実上出来ないが、これも利用可能な様に社内ルール整備すれば良い。他の業界では優れた販売者は、最も良い利用者でもあろうとするのが普通である。自ら投資家となってこそ、分かる事も多い。

 その為には、証券や金融機関の販売者が、市場規律を守りながらも投資家としての行動がとり易いガイドラインと監視が必要だが、証券業協会や銀行業協会でのガイドライン作りの議論を行うことと、J-IRISS(Japan-Insider Registration & Identification Support System)を活用して、証券や金融機関の役社員の全金融商品取引を記録する監視システムの強化も提案したい。

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ジャンル : ビジネス

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