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2017/07
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投資家にとって、取引所の統合で何が変わるか
 企業が他社と経営統合する場合は、業界内での厳しい競争環境を勝ち抜く為に、経営基盤を強化する目的で行うのが一般的だが、本日報道された東証と大証の経営統合は投資家に何をもたらすのだろうか。既に、ロンドン証券所とナスダック、ニューユーク証券取引所(NYSEユーロネクスト)等とドイツ証券取引所、それにシンガポール取引所とオーストラリア証券取引所など国を超えた統合への動きが伝えられているが、両取引所の統合の影響で投資の何が具体的に変わっていくのだろうか。

この1年余りで東証も大証も、高速化対応を中心に取引システムの能力を大幅に向上させている。また、ETF上場促進を通じて、投資のグローバル化や多様化にもある程度対応してきた。しかし、世界的取引所統合への動き進む中で、この対応スピードが遅いとの危機感が当事者間にあったのかも知れない。
現在の取引所の機能は、取引の場の提供と、公正な取引を行う為に取引ルールなどを定めそれを監視する自主規制機能に分けられるが、今の取引所間競争の主な部分は、“取引の場の提供”の高速化対応が中心になっている。これは、ファンドの増加によって国境を越えグローバルに投資を行う機関投資家が増加していることと、これ等の投資家が取引を効果的に行う為にアルゴリズム取引を利用していることによる。東証の取引の6割が、海外投資家からの注文と言われているが、アルゴリズム取引には受注状況と注文発注・取消しの高速化対応が必要になるので、取引所は海外投資家の取引を獲得するために、取引システムの更なる高速化を目指す傾向が強まる。また、その高速化の為に、取引手法やルールそのものも変更されていく。

一方、グローバル化は投資家だけではなく、取引対象にも及ぶが、海外企業の上場誘導(TOKYO AIM)や海外で上場されているETFやETNなのどの東証上場の促進、アジアの諸国や金融機関などが発行する債券取引の国内誘導など、既に関係者によるアプローチは始まっている。

この様に取引所のグローバル化対応は既に始まっているが、東証と大証の経営統合によりシステム強化への財務基盤が強まり、くわえて海外取引所との資本提携が進めやすくなれば、この対応スピードを更に早める可能性が強い。この変化に投資家はついていく事ができるだろうか。

よく考えてみると、取引所がいくら機能を強化したとしても、1部の投資家を除いて(実質的に取引所システムに直接アクセスできるコロケーション・サービスを使ったダイレクト・マーケティング・アクセス)、投資家は取引所で直接取引出来ない。つまり、市場仲介者として取引所取引に直接参加する証券会社が、取引所の取引システムの進化に合わせた売買システムを提供しなければ、投資家はその向上した機能は利用できない。

 結局、取引所の統合が目指しているものの投資家への影響を考えた時、取引所に直接取引参加している証券会社が、市場仲介者としてどの様なサービスを提供していくかが問題になる。つまり、取引所の進化のスピード合わせて、証券会社もグローバル化や投資対象の多様化で進化していくという当たり前の結論になるが、その為、300社余りある証券会社の証券サービスの専門化や経営統合まで視野に入れた合従連衡が進むことが予想される。投資家にとっては、多分良い事だろう。

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