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2017/10
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【緊急対策】今、日本の資本市場が出来る事
先ず、未曽有の被害を東北・関東地方にもたらした東日本大震災の被災者の方々に、深く哀悼の意を表します。一刻も早い救援と、復興への取組みが始まることを願っています。
また、この様な状況の中、市場の取引開始を決断された東証の判断に敬意を表します。

ただ個人的には、各企業の被害状況がある程度確認できるまで、個別銘柄の取引を停止しても良かったのではないかと思う点もある。取引開示を決断した東証の斉藤社長は、次の様なコメントを公表している。
「株式等の取引が国境を越えて頻繁におこなわれている現状も踏まえれば日本株のマザーマーケットとして多くの投資家の需給を反映した適正な株価の形成が早期に可能となるようできる限り売買の機会を提供することが我々に求められる責務である」(日経QUICKニュースより)
 一方、この後、日本の資本市場がどうあるべきか、一つは上場企業の復興活動をどう支えるか、もう一つはリスクマネーを供給している投資家に対してどの様に対応すべきか、という視線から考えてみた。

【市場対策】
公的な資金による買付けは、市場規律を歪めるという批判もあるが、危機的な状況と判断された時は、過去何度か市場での買付けが実施されてきた。また、金融危機の際には、各国による個別銘柄への空売り規制が強化・実施されている。
・昨年10月に公表された日銀による追加的緩和策の一環で、上場ETF4500億円、上場REIT500億円の市場からの買取り枠が公表され、昨年12月から始まった実際の買付けは、2月まで上場ETF429億円、上場REIT46億円となっている。本年12月まで予定される買付枠の残高は、まだ相当に余裕があるが、この買付枠の大幅な拡大を望みたい。
・次に官民ファンドの創設で、今回の大震災での影響が大きいと思われる企業(例えば震災の被害や影響が売上高の2割超)を個別に指定し、一定以上の財務基盤があることを前提に、復興銘柄として買い上げる。これにより、対象企業が株価急落により資金繰りに支障をきたすことを防ぐ措置があればよい。
・上記で指定する復興銘柄に対して、信用取引を含め個別銘柄の空売りを一時的に禁止する措置が加われば、投資家心理の安定までに必要な時間は確保できると考える。
なお、これらの市場対策は、当然に一時的・限定的対応であるべきだろう。

【企業対策】
上記の市場対策を有効にするため、上場企業のディスクロージャーは徹底されなければならない。特に、復興銘柄となる上場企業の、取引所ルールによる適時開示の徹底は重要だ。大震災による被害の状況・その影響は、初期段階ではその把握さえ難しいかもしれないが、適時状況の変化を投資家が知ることが重要になる。その為に、企業側の適時開示体制をサポートする取引所側の配慮も必要になるだろう。取引所開示システムは、一時的に原則24時間対応可能とし、企業・投資家の24時間対応や英文開示対応に備えることも求められる。
少し落ち着いた段階になると、復興企業側の再建の為のリスクマネー需要が高まることが予想されるが、その為に格付け基準に拘らない株主割当のCB発行(CB版ライツ・イシュー)制度を整備していくことは、証券会社に出来る数少ない直接の復興支援になるだろう。

【投資家対策】
 日本の個人投資家が、復興支援の為に復興企業にリスクマネーを供給する政治的判断が求められるかも知れない。例えば、復興銘柄への投資に関する本年度取得分に対する譲渡益を課税対象から免ずる措置などが考えられる。ここは、政治家の知恵の出し方に期待したいが、日本国民の資金が、企業の復興支援のリスクマネーとなるのが理想的であることを、政府も行政も認識しているだろう。

以上は、資本市場の仲介者として証券会社で何が出来るがということと表裏一体のことと思うが、個々の市場仲介者として行うことというより、業界全体での政治的要望や提言が必要ではないだろうか。
市場が傍観者であってはならない。
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