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個人にとっての債券投資:個人向け国債から債券投資へ
もう5~6年以上も前になるだろうか。大手証券が個人向け国債を競うように販売したのは。個人向け国債(10年物、変動金利)は2003年から発行が始まり、翌2004年には、年間販売額が6兆円を超えた。更に、2006年からは5年物の固定金利の個人向け国債が発行され、この分の大量償還が今年から始まっているが、本年分だけでも4兆円以上あると言われている。来年の4月まで続くゆうちょ銀行の定額貯蓄(10年物)の大量満期と併せて、その受け皿の金融商品が期待されている。

 償還されている個人向け国債(5年債)は、債券というよりは以下の貯蓄的な性格が強い。
・購入単位は1万円
・金利は固定
・中途換金時の換金金額=額面金額+経過利子相当額―4回分の各利子相当額×0.8【国の買取り】
※2年経過後から、中途換金可能。ただし、上記の換金式によって金利水準の上下による債券としての価格の変動はなく、いつでも元本以上が確保できる仕組みとなっている。
つまり個人向け国債は、債券投資としての金利低下局面におけるメリットもない代わりに、金利上昇時のリスクもないという債券らしくない金融商品であった。個人の金融資産を貯金から国債に移行させる手段として考えられたものだったが、これは発行者である国の方に買い取る際の金利変動リスク(リファイナンスの)が負わされることになる。この為、2008年から新型窓口販売方式として通常の国債も販売されるようなってきており、こちらの方は市場価格でいつでも売却することが出来る。

 個人の債券投資が拡大する環境が整いつつあるが、実際には個人投資家側からみると次の様な問題点もある。

●個人にとっての債券投資のメリットが広く理解されていない。つまり個人に対する債券投資に関する投資教育がされていないので、多くの人が債券に関する知識が不足している。これを補う為には、債券を販売する側の投資家への提案能力が必要だ。例えば定期預金よりも債券で運用した方が良い結果になるというような次のレポートがニッセイ基礎研究所より公表されている。
☆老後生活資金の債券運用

●現状の債券市場は、発行市場も流通市場も個人投資家への態勢整備が遅れている。これは国債でも社債でも債券を1億円の券面中心に扱っていた時代の名残りだが、債券は大口の投資家である機関投資家中心の販売会社側の態勢になっていて、個人が扱うような金額では、発行元から個人向けという指定が無い限り販売のインセンティブが起きにくい。しかし、国債も社債も券面がなくなっているので、小口販売の為のコストは著しく低下しているはずなので、販売者側の工夫と努力が求められる。個人向け国債については、大和証券が専用のPTSを開設し、売買ニーズのマッチングに取り組んでいるが、これもまだ試行段階に思える。

●債券市場は、株のような取引所取引ではなく相対取引なので市場価格が分かり難い。また社債の方は流通市場が整備されているとは言えず、実勢価格が更に分かり難い。米国においては、社債の売買された価格の情報がほぼリアルタイムで個人にも提供されたことで、個人投資家の社債投資が増加した結果が出でいる。日本でも、社債市場改革で売買実勢価格が広く投資家間で共有されることで、社債の流通市場が整備されていくことが期待されている。

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