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2017/10
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情報について学んだこと・・・株式市場の仮需給について
今、我々は情報のあり方について改めて学んでいる。大震災の後、被災地の状況や福島原発に関する情報が多く流されているが、それでも情報の不足感を感じるのは何故だろうか。流される情報の迅速さ・正確さは勿論のこと、知りたいと思っている情報に出会えるように情報そのものが体系化(整理)されていなければ、情報供給に対する不足感は募る。それは、海外投資家や外国政府から指摘されるまでもなく、原発や復興対策について不安に思っていくことに応えて欲しいとの日本国民としての強い想いからだ。
 日本の市場についても、情報が整理されていない若しくは整理の仕方が今の時代にあっているのか疑問を感じるものがある。その一つに、株式の仮需給に関するものが上げられる。この事を、少し簡略化して考えてみたい。
日本株の仮需給は、個人投資家などが利用する信用取引や海外投資家などが使う貸株市場(株式レンディングもしくは株式レポ)があり、基本的な構造は、投資家にお金を貸すか、株式を貸すかだが、株式を貸すにはその株式を借りてこなければならないので、証券会社にとってはよりハードルが高い。
通常、証券会社が顧客の信用取引を扱う場合、自ら資金や株券を調達できなければ日本証券金融会社に借り入れを申し込み、この分の借入状況(投資家が買いの場合は融資、売りの場合は貸株)は取引所を通じて週一回公表される。証券会社による仮需給の報告は、毎日取引所にされているが、仮需要によるその銘柄の売買高が急増すると、融資・貸株の状況を毎日公表する措置を取引所がとる。これが信用取引の取組み公表と言われていて、投資家の仮需給を計るものとされている。

 しかし、この部分は市場の仮需給の数分の一にしか過ぎない。少し前のデータになるが、2006年9月に日証金により公表された数字では、信用取引全体の市場規模が1.5兆円に対して、ヘッジファンドなどが使う貸株市場は6.4兆円となっており、信用取引の約4倍以上の仮需給が取引されている。
個人投資家が、若し仮需給の先行きを推計する目的で信用取引の融資・貸株情報を利用しているなら、一部のデータしか見ていないことになる。

 では仮需給の大きい方の貸株市場の状況を知るにはどうした良いか。機関投資家なら日本株の貸株情報を提供する海外情報ベンダーを利用することも出来るが、個人投資家には現在その方法が無い。ただし、多少は代替するものがある。それは、金融危機以降行われている空売りポジション報告だが、個別銘柄で大量(発行済み株数の0.25%以上)に株式を借りて空売りした場合は、証券会社を通じて投資家毎に報告する義務がある。元々は金融危機後の海外での仮需給が適切に運営されているがどうか報告させる目的だったが、仮需給を推計する手段の一つとして、活用しても良いのではないだろうか。少しでも、個人投資家と海外投資家の市場に関する情報のギャップを埋めることが、個人投資家の売買シェア低下に歯止めをかけることになると期待したい。

 なお、空売りが悪い影響を市場に及ぼすといっているのではなく、空売りに使われる株式の貸し借りの情報が、もっと投資家間で共有される必要があるという事を主張したい。株式の仮需給に関する海外投資家と個人投資家の情報の非対称性を改善してこそ、多様な投資家が参加する活力ある市場の維持が可能と考える。

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