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2017/06
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CFD取引の現状=その2
 前回に続きCFDを取り上げるが、CFDは金融商品というよりは取引手法として捉えた方が良いと考える。個人のデリバティブ取引で、FX取引がなぜこれ程までに拡大したか、既存の金融・証券は分析しているだろが、取引の仕組みは全く同じだ。金融サービスとしてCFD取引を投資家に提供する側からみた場合のポイントは次の様なものだ。

【収益性=投資家のコスト】
CFD取引を提供する業者の収益の源泉は以下の順になる。
・ファンディング(資金を貸す)=つまり投資家がレバレッジを掛けた分、その資金を貸したことになるのでファンディング・コスト(金利収入分)は重要な収益となる。その為、投資家がポジションを継続して保有してくれた方が収益性は高まるが、このことを一般的にはキャリーと言う。
・スプレッド(売値・買値の差)=CFD取引はFX取引と同様に売値・買値を同時に提供するが、この差が大きければ、実際の市場に取り次ぐ場合やマリー(以下で説明)する際の収益源となる。
・マリー(売買注文の相殺)=投資家の売買注文を相殺させること。その為、この分は市場には取り次がないが、売買相殺することでスプレッドやファンディング・コストが効率的に収益化される。なお、売買の値段が異なってもマリーは可能。
・トレーディング・フィー(売買手数料)=商品指数や株価指数などでは、一部手数料を取らないところがあるが、個別株売買では一般的にフィーを別途課す。
以上、スプレッド以外は株式の信用取引の収益構造に似ている。つまり、投資家の売買量が増えかつポジションを継続して保有する方が収益性は高まる。
※なお、CFD取引を提供する会社が取引所から株価情報等に関するコストを要求される場合には、別途投資家から情報料として徴収する場合もある。

【コスト対応とリスク管理】
上記の4つの収益性を効率良く追及する為には、先ず顧客売買注文やポジションの管理を効果的に行うシステムが必要になる。また、実際の売買注文を市場に取り次ぐためのカバー先の確保も求められる。この必要なシステムとカバー先をセットで証券会社などに提供するCFD専業者が海外から日本に参入していて、証券会社などに対しホワイトラベル戦略としてシステム等を供給している(4社程度)。但し、この場合のサービス提供を受ける証券サイドの収益性は、一部で限られることになる。
一方リスク管理の方は、レバレッジ投資なので利用する個人投資家のロスカット対応の厳格化が求められるが、今年1月から証券業協会による自主規制ルールとして、この顧客管理におけるロスカット・ルール遵守の厳格化が証券会社等に課せられている。その為、顧客ポジションをリアルタイムで値洗いすることが必要で、かつ以下の様な強制ロスカット対応を取らなければならない。(以下の強制ロスカット・ルールはA社)
・含み損失が証拠金の25%に達した段階で、強制反対売買
・1日以上継続して保有する売買ポジションについて、値洗いした後の証拠金の合計額が、必要な証拠金額の100%以上を維持していなければ、保有ポジションの強制反対売買
証券会社がCFD取引を拡大していく場合には、このロスカット・ルールの厳格化対応が投資家を守るし、結果証券会社自身も守ることになる。

【取引拡大への取組み】
一部株価指数の取引所CFDはあるものの、基本的には店頭CFD=店頭デリバティブだ。よって、4月から実行されている店頭デリバティブ販売規制をうけ不招請勧誘禁止の対象ともなっている。これはFX取引と同様だが、ロスカット・ルールでの値洗いの問題もあるので、取引の方法はオンライン取引に限られる。今後CFD取引が拡大する顧客ターゲット層としては、現在のFX取引顧客(顧客数約300万人)・オンライン証券取引顧客(大手5社の延べ数で600万人)などが考えられる。

【既存ビジネスとの利益相反】
貴金属や原油など商品指数取引に関して、余り既存金融商品(投信など)と投資家層が重ならない。レバレッジ取引の性格上、CFD取引は短期投資が中心になると思われるが、上場株価指数先物・オプション取引や信用取引とは投資家層が同じと予想され、証券会社の営業戦略上の使い分けが必要だろう。ちなみに、日本株の信用取引がビジネスモデルの基盤となっているネット証券においては、日本株のCFD取引は取り扱っていない。

最後に、CFD取引は個人のデリバティブ取引拡大の為の大きな核になると期待しているが、現状では証券会社のビジネスとして、まだまだハードルは高いようだ。
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