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2017/11
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ディスクロージャーに関する現状の問題=先ず投資家にとって重要なこと
ディスクロージャー(上場企業による情報開示)の問題は、その目的に関しては誰しも異論がないが、どの情報を何処までという事に関しては、其々の立場で異なることがある。勿論、ディスクロージャーを行うのは企業側なのだから、コストを負ってまで行うディスクロージャーの効果については、厳格に考えたくなるのは理解できる。しかし、永年上場企業のディスクロージャーに関して相談を受けていた者として、はっきり言えば、企業の内容が悪化し始めると、大体ディスロージャーに関する取組みも劣化する。
以下、ディスクロージャーに関する問題の現状について、以下のように投資家目線で纏めてみた。

【業績予想について】
最低限これだけは、ちゃんとお願いしたい。大震災の影響や電力問題で、確かに3.11以前とは事業計画の大幅な変更を余儀なくされている企業は多いだろう。しかし、決算発表時に間に合わなくとも、企業は常に事業計画を追い続けるはずだし、利益計画は随時修正しながら事業を営んでいるはずなのだから、企業が今期の業績予想を行うのは当然のことだ。問題は、それを株主や投資家に向けて公表することだ。
株主や投資家にとって、最も興味があることは、その企業の将来価値であり、その判断に業績予想は欠かせない。アナリストや四季報の記者が予想するのも、確かに業績予想だろうが、アナリストがカバーする銘柄数は多く見積もって5~600銘柄と全上場銘柄の2割にも満たないし、四季報は予想数字の根拠まで教えてくれない。上場企業が、自らの業績予想を公表することは市場に対する最低減の義務なのだが、市況の変動などを理由に、業績予想を公表しない証券関連業務の上場会社があること自体が残念だ。
 
なお、年間の業績予想は通常前期の決算発表時(取引所の開示制度である決算短信)に行われるが、今回の様に大震災の影響が時期的に確定しなかったり、主要な取引先と交渉中などの場合は、その後の適時開示でも次善の対応となる。ちなみに昨年度の新日鉄は、前期決算発表時には需要家との間で主原料価格の大幅上昇等を踏まえた鋼材の価格改定につき交渉中であること、また今年度以降の主原料価格、値決め方法等につき各サプライヤーと交渉中であること等から、前期決算発表時に業績予想を公表していなかったが、その後の第一四半期の決算発表時に、改めて市況環境を説明した上で、当事業年度の業績予想を公表している。

【事業戦略に関して】
業績予想と同じく将来の企業価値を推し量る為に重要なのが企業の事業戦略だが、会社説明会などで経営者が中期経営計画を語るのが一般的だろう。勿論、社内で使われる中期経営計画と株主・投資家向けの資料が異なっても構わないが、経営者が何を目指していて、それがどこまで実行されているか一般の株主や投資家が知るためIR(インベスター・リレーションズ)として、各上場企業が取り組む必要があると考える。

繰り返しになるが、株主や投資家にとって最も重要なことは企業の将来価値であり、その判断が投資行動に繋がるのだから、上記の2つは投資家にとって最も重要なディスクロージャー要素となっている。
しかし、業績予想は取引所の適時開示ルールの中で、罰則のない開示項目だし、事業戦略は企業の自発的なIR活動に頼らざるを得ない。一般の投資家にとって、企業の将来価値を専門家であるアナリストが分析してくれるのは好ましいいことだが、アナリスト・カバーは相当にコストがかかる話で、現状2割未満のものを10割近くまでもっていくのは不可能だ。それより、取引所ルールなどで企業からの情報提供を促す方が、投資家にとっての実効性のあるディスクロージャーとして現実味がある。

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