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空売り規制に係る時限措置の継続について、今一度考える
2008年の金融危機の際、緊急の市場対応策として導入された空売り規制・自己株式取得に係る時限措置について、今一度その意味を考えてみたい。

 この措置は、簡単に言えば空売りしてはいけないと言う措置ではない。空売りするならば、ちゃんと株式を借りて、従来のルール(売り下がらないというアップティック・ルール)を守って売り、一定規模以上を空売りした場合は、証券会社を通じて取引所に報告し、取引所はこれを公表するという緊急対応の措置だった。金融危機対応の緊急措置としては、欧州の一部では銀行株などの空売りを一時的に禁止したところもあったが、空売りして良いのだ。このルールは2008年10月末から施行され、当初5ヵ月間だったが、その後3ヵ月毎に延長されている。今回の延長は9度目だが、大震災対応ということもあり、6ヵ月間10月末まで延長される。今の時期は別にして、この間日本の株式市場は緊急の時限措置を必要するような異常な状況だったのだろうか。もし、そうでなければ、日本市場の空売り規制そのものか、日本市場での空売りの仕方のどちらかが問題があったと言わざるを得ない。

【旧来の空売り規制そのものの問題】
日本の証券取引法(現:金融商品取引法)は、大恐慌後に規制された米国の証券取引ルールをベースにしていることが知られているが、この空売りにおけるアップティック・ルール(直近で約定した価格よりも低い価格で空売りすることを禁じる規制)も同じ出自である。しかし、本家の米国では、「市場の流動性を低下させる」、「相場操縦を抑制する効果が見られない」などの調査結果を基に2007年7月に廃止されている。空売り規制のこの部分は、東証や一部の外国証券が不満とする流動性上の問題となる箇所でもある。

【空売りの仕方の問題】
時限措置として新たに加わったルールに、売付けの際に株の手当てがなされていない空売り(Naked Short Selling)の禁止というのがあるが、ヘッジファンドなどとの取引に通じていないとこの内容は余りイメージ出来ないかもしれない。Naked Short Sellingとは、株式を売却する時点ではその株はなく、決済日までの間に株式を借りてくるか、若し株式が借りなければフェイルといって、金利相当分のペナルティーを支払って決済そのもの延長する。ファンドなど証券会社、証券会社同士の相互の信頼関係のもとに成り立つ仕組みだが、一部証券会社はファンドなどが空売りする際、株式の調達を前提に売却注文を受けることがある(ブライムブローカーレッジ・サービス)ので、問題を複雑にしている様に思う。株式の出し手は、日本株長期保有の機関投資家などだが、個人が利用できる貸借取引とは異なった貸株市場があり、その規模は貸借取引の3~5倍程度とも言われているが、空売りの問題は、ちゃんと株式を借りて売ればよく、借りられなければ空売りしないという個人投資家にも理解できる仕組みの方が良い。金融危機を契機のこのNaked Short Sellingが禁止されたが、このルールは市場の正常化後も継続すべきと考える。その事が、空売りでは貸借取引(信用取引)しか利用できない個人投資家を守ることになる。ただし、このルールと事項の空売りポジション報告はリンクしている。

【報告の仕方及び公表の仕方の問題】
 元々、証券会社は空売りであるか否かの別の明示(取引所に対して)・確認する義務を負うが、金融危機後、一定規模(発行済株式総数の原則0.25%)以上の空売りポジションの保有者に対する、証券会社を通じた取引所への報告の義務付け及び、取引所による当該情報の公表を命じている。この措置の目的は、空売りしている証券会社やファンドでの嫌がらせではなく、日本株の流動性に大きく影響する貸株市場を利用した空売りの実態情報を、ある程度まで市場全体で共有する仕組みとして有効だと考える。現状の貸株市場での株式の貸し借りは、主に海外市場での相対取引が中心で、その状況は個人投資家レベルでは把握できない。個人投資家を含めた市場参加者の仮需要に関す情報の非対称性を解消する為にも、この報告・公表措置の恒久化を求めたい。(但し、現状では取引日と報告日にバラつきがあったり、公表が保有者ごとで銘柄毎になっていないので、個人投資家はこの情報を利用しにくい。また、0.25%と言う数字が良いかどうかは、少し業界の議論も必要だと思われる。)

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