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2017/11
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何故市場改革が必要なのか~新興市場の場合
先ず最初に言っておきたいことは、市場改革は常に必要だ。時代や環境の変化に対応し、投資家のニーズに応えて行く為に、市場改革議論は常に行われるべきだ。しかし、日本での最近の市場改革議論は、ここ数年毎年同じテーマを繰り返しているようにも思う。社債市場然り、また新興市場改革議論も既に3年以上市場関係者による改革議論が行われている。勿論、真摯な議論をされている改革検討メンバーには敬意を払いたいが、3年以上も同じ問題を議論していること自体、本質的な問題が解消されていないことを証明している。専門家による改革議論が何故進まないか。その事を考えるために、そもそもの新興市場問題について投資家や利用者である企業の視点からやさしく考えてみたい。

【新興市場の本質的問題とそれぞれの背景】
前回取り上げた2006年のライブドア事件以降、新興市場における虚偽決算問題が顕在化してきた。虚偽決算は何も新興企業のみに限ったことではないが、ソフトウェア業界の循環取引やバイオベンチャーの売上げ計上など、新興企業独特のビジネスモデルから発生するような虚偽計上を、監査法人も含めて市場関係者がチェックできる態勢になっていたかが問われた。この問題は、証券会社や取引所の上場審査、公認会計士の新興企業に対する監査能力などの改善努力に向かう。言い方を変えると、“新興市場の信頼性回復”に向けた取組みということになる。

次に問題となったのは、新興上場企業の市場での上場後の取り扱われ方だった。新興上場企業の大半は上場後2~3ヵ月は売買されるが、その後急速に売買取引量が減少し、多くは公開時の株価を大きく割り込んだまま低迷してしまう。企業自身の業績や成長戦略の失敗なら当然の結果だろうが、これが新興企業や市場仲介者である証券会社からの情報発信不足なら問題の解消方法はある。“新興市場での取引活性化”に向けた取組みだが、取引所などによる新興企業のIRやアナリスト・カバーへの支援となる。この問題の本質的なことは、新規公開後の新興企業を、市場仲介者である証券会社が如何に取り上げていくかにあるように思う。特に、新興企業の幹事証券と名乗っている証券会社の責任は重い。

上記の2つの問題が顕在化し、新規公開の新興企業数がピーク時の10分の1程度まで大きく減少したことが3つ目の問題になる。“新規上場の活性化”に向けた取組みが必要とされたのは、日本のIPO市場が低迷しているのとは対照的に、中国で新興市場が創設されたり、他のアジア新興市場のIPO誘致強化の取組みが日本でも目立ち始めたことも影響している。資本市場の入り口となるIPO数の減少は、新興企業へのリスクマネー供給の低下に繋がるのだから、この問題の対応策は、日本の資本市場にとって緊急性を要するはずだった。

【付属する問題とポイント】
 新興市場の事に関して議論するのだから、当然如何あるべきか詳細で専門的な検討が必要だろう。しかし、その前に形式的なことも考えるべきで、5+1の新興市場が日本にあることさえ、実は一般には余り知られていない。5は、マザーズ・新ジャスダック・セントレックス・Qボード・アンビシャスだが、+1はグリーンシートという店頭市場になっているものの、全ての新興市場に注文を取り次げる証券会社は、実質的に無いといえる。先ず、この5+1の新興市場を、利用者である投資家と新興企業に分かり易く整理して、説明する必要があるだろう。特に、グリーンシートは300近くある証券会社の中で9社(それも一部の銘柄のみ)しか扱っておらず、プレIPOマーケットとしての機能していない。

少なくとも、主な証券会社であれば必ず取扱いが出来る新興市場及びプレ新興市場という考え方から整理を始めて欲しい。

これらの新興市場議論を顧みて、常に想う事だが、同じメンバーで同じ議論を繰り返しても、本質的な問題の解決策は出ない。議論も市場仲介業務も、新しい参加者を促す仕組みが必要なのではないだろうか。

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