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2017/08
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市場に足りないもの=リテール証券の決算から見えること(速報版)
業界の方でなければ、証券会社の決算など興味がないだろうが、証券会社は市場と投資家の間をつなぐ重要な市場仲介機能を果たしている。その決算内容から、市場の変化も見えてくる部分がある。

以下の資料は、昨年度の主要なリテール証券の純営業収益と株式の売買に係る株式委託手数料、投資信託に係る収益、投資信託や外債の販売額、顧客からの預り資産を現時点で分かる範囲で記載したものだ。
(数字は、各社の決算短信や決算説明資料から作成、リテール部門若しくは単体を集計。今後一部販売額数値などは変わる可能性もある。)

☆リテール証券主要20社の平成23年3月期決算概要(営業に関する部分:速報版)

例えば、株式委託手数料は概ね2ケタの減少になっているが、昨年度全体でみると日本の株式等の市場取引が減少した訳ではない。取引所の決算短信によると、昨年度の日本株取引は以下の様になっている。
・東証の株式売買代金総額=380.62兆円(前年度比0.4%増加)
・大証の日本株指数先物取引金額=360.06兆円(前年度比4.4%増加)
つまり、個人の株式売買が減少していることが、証券会社の手数料減少として現れている。
日本の株式市場の機能については、一昨年初の株券の完全ペーパレス化でより流通・決済機能が向上し、昨年初の東証の取引システムの超高速化対応で売買機能も格段に上昇しているが、この市場インフラの向上メリットが、少なくとも日本の個人投資家に余り利用されていないのかもしれない。また、この株式委託手数料の中には、近年大手やネット証券中心に注力されていた外国株式の売買手数料も含まれるが、これも前期に限っては、大きく伸びているという訳でもないようだ。大和の決算説明資料によると、この株式委託手数料に占める外国株の割合は3割程度だが、ここ1年以上は同様の水準のようだ。結果的に、リテール証券会社にとって、この株式委託手数料は純営業収益全体の2割未満に低下している。
反対にリテール証券で伸びているのが、投資信託関連収益で収益全体の4割以上を占めるまでになっており、販売手数料や残高に応じた報酬は其々6%前年比で増加している。

 現在のリテール証券の営業そのものは、投信や外債の販売が主力になっていて、これら金融商品の販売者という事かも知れない。しかし、投信や外債は証券会社以外の金融機関でも販売することが出来る。証券会社に出来ない事、それは市場と投資家を繋ぐということだが、その機能そのものがリテール証券の営業現場(含むネット証券)では低下しているのかも知れない。証券会社という業態が古くなって、金融商品取引法でいう第1種金融商品取引業者なのだから仕方ない時代の流れと諦めるか、新しい市場仲介者モデルを期待するか、どちらだろうか。

日本の資本市場を守る為にも、市場仲介者としての証券会社の機能向上に関する議論も、協会や金融審議会で行うことが必要だろう。
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