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2017/10
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ほふり”の可能性について=たまにはバックヤードの覗いてみよう
日本の資本市場が紙の有価証券から完全に解放されて、もう2年以上が経つ。CPなどの短期社債、社債、投信が順次電子化され、そして2009年1月の株式をもって、日本で流通する有価証券の完全なペーパレス化が終了するが、これらは電子データとして取り扱え、その事自体に大きな意義がある。この事が、今日本の資本市場が抱えている問題にどう役立つか、その可能性について易しく考えたい。先ず、ポイントは次の様なものだ。

○日本で流通する有価証券の情報が、全て証券保管振替機能(ほふり)に集中される。
○投資家情報を集約することも可能で、特に株式・上場ETF・上場REITに関しては、100%投資家情報を把握される。
○決済、移動、残高等の情報については、リアルタイムで把握することが可能である。
この僅か3つの事が、例えば株式については、どの様に影響しているのだろうか。
(※以下の数字は、証券保管振替機構公表の4月末業務状況グラフより)

・日本の上場企業の株主数は、この4月末で1648万人となっており、この半年間は余り変動がない。よく報道などでは、日本の株主数が4479万人(各取引所より集計した分で、平成21年度分)という数字が言われるが、これは延べ株主数であり、“ほふり”の方は投資家毎に名寄せした数字なので実数に近い。つまり、この数字から1投資家当たり2.7銘柄を平均で保有していることも分かる。

・上場される企業数はこの4月末で3630銘柄となっているが、上場廃止やM&Aなどの影響で、株式完全ペーパレス化がスタートした2009年1月初めの時点より241社の減少している。この間の株数は、546億株増加して4133億株と、1社当たりにすると2割以上増え(1社当りの平均発行株数が0.926億株→1.138億株)、分割や大型ファイナンスの影響が見られる。

・株式の移動(振替)は、件数ベースで3月に比べ4月は2割近く落ち込んでいる。取引所での決済に係る1日当たりの件数(以下4月の数字)は8.9万件だが、証券会社や信託銀行同士で行うものは13.8万件、証券会社内で行う移動(主に証券会社と投資家間)が10.6万件となっている。つまり、この事は、日本株の取引で取引所を介するものが全体の3分の1程度にしか過ぎない事を示しているが、日本株の取引全体を鳥瞰してみる必要がありそうだ。取引所での取引以外には、PTSや相対取引での売買、株式の貸し借り(貸株市場=実際は海外のOTC取引が中心)や株券を担保にする取引などが大きな部分を占めると見られる。日本の株式市場の現状を理解しようとする時、これらの取引所取引以外の取引実態を見て全体像を考える必要がありそうだが、この株式の移動は“ほふり”を必ず経由し、取引データとしてリアルタイムで残っていく。

・例えば証券会社間で、相対で売買取引したり株式を借り現金担保を渡した場合などで、それらの取引の条件までが“ほふり”に蓄積されることがある。つまり、株券を移動させる条件として、その売買代金や担保金が同時に振替えられるDVP(Delivery Versus Payment=資金と証券の引渡しを相互に条件付けた決済方式)機能を、“ほふり”は証券会社等に提供するが、この利用比率は“ほふり”での証券会社間取引の6割(全有価証券)を占める。個々の株式・資金の移動デーダが分かるので、逆算すると取引単価など取引条件を割り出すことも可能である。

 以上、“ほふり”には日本の資本市場の状況を把握するのに有効なデータが蓄積されるが、“ほふり”の本来業務は有価証券の決済機能なので、有効データを情報として投資家に提供する為には、業界全体の議論と合意が必要になる。但し、日本の市場改革への取組みは待ったなしではないだろうか。
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