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2017/06
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改正産活法で期待したい、大型M&Aの増加と自社株取得
株式市場の方はグローバルに調整色が強まっているが、18日に国会で成立した改正産活法(産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法の一部を改正する法律)に期待したい。早ければ7月上旬にも施行を予定されているこの法案の主な目的は2つあって、一つは日本の産業再編を更に進めるM&A促進の為の施策、もう一つはベンチャー・地域中小企業支援の為の施策だが、M&A促進策を取り上げたい。その概要は、以下も様に3つに分かれる。

【事業統合の迅速化の施策=公取委関連】
合併などの企業結合の審査は、独禁法による公正取引委員会の審査が必要だが、企業が事業所管大臣に再編計画を提出することで、所管大臣が産業政策として、海外事業者の投資動向・異業種からの参入状況や可能性・代替製品の技術開発状況などを公取委に情報提供し、その企業結合の必要性を迅速に判断する為に、事業所管大臣に対して公取委との協議を義務付けた。これにより、グローバル競争の激化に対応した、大型のM&Aが実行しやすくなり迅速な産業再編が円滑化されることが期待されている。

【自社株対価のTOBの促進、完全子会社化手続の円滑化の為の施策=会社法関連】
措置は2つあるが、

・一つ目の措置は、自社株を使ったTOBを行う場合、株式の交換比率を決議するだけで済むようになる。会社法上は、今でも自社株を利用したTOBを行うことは可能だが、企業買収なので相手企業をプレミアムを付けて買うことになる。つまり、自社株は反対に相手企業の株主に対して市場価格より安く渡すこと(相手企業株主に対して、有利に発行)になる為、株主総会での特別決議が必要とされている。また、法律論としては、TOBに渡した株式が、もし払込日までの間に値下がりした場合、買い手側企業には現物出資規制上の価格補填責任があるのではないかとの意見もあり、自社株を利用したTOBは会社法制定以来殆ど利用されなかった。これが、今回の改正産活法によりTOB開始段階で、交換比率を決めておけば良い事になる。

・二つ目の措置は、完全子会社手続の簡素化だが、これは今まで買収企業を完全子会社化する為には、TOBを実施して株式を三分の二以上取得し、この後に残った少数株主をスクーズアウトする為、株主総会で普通株式を全部取得条項付種類株(企業が定められた価格で株式を買い取ることが可能な株式)に替え、その後完全子会社化を実施するという手続きが取られていた。これを、TOB実施時点で90%以上の株主が応募した場合、株主総会を開かなくても、応募しなかった株主から株式を買い取れるようにする。
以上の2つの措置によって、企業再編が多様化、迅速化し、積極的な再編が活発化することが期待されている。

【長期資金の調達支援の為のTwo-step-loan(二段階融資)の創設】
 企業の事業再編においては、コア事業の前向き投資と、ノンコア事業の事業転換も併せて行うので、一時的には大規模な資金需要が発生するが、再編企業向けに財政投融資資金1000億円を使って、日本政策金融金庫が金融機関を介して(2段階)長期資金を融資する制度を創設する。

以上によって、上場企業のM&Aが活発化し自社株取得が本格化することで、最近は日本の取引参加者の閉塞感が強い株式市場に対して、好影響がでることを期待している。日本企業の再生は、日本の資本市場の再生にも繋がると、日本の市場参加者が信じるべき時ではないだろうか。

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