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2017/07
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投信販売に対する期待―対面リテール証券会社の場合
 証券会社の業務の中心は、株式の取扱いということは今でも変わらない。しかし収益面でみると、投資信託に支えられている部分が大きくなっている。主要リテール証券20社の平成22年度決算(リテール部門若しくは単体)における純営業収益の42.5%が投信に係るもので、その4分の3が投信販売の手数料、残りの4分の1が投信残高に対する運用会社からの報酬になる。
 市況に大きく影響される証券会社の収益にとって、安定収益の確保は悲願とも言えるが、ここ10年来証券会社の安定収益作りへの取組みは、投信の残高を増やすことだった。今月公表された大和証券グループの経営戦略においても、投信の残高を4.1兆円から6兆円まで増加させることリテール営業の戦略の中心としている。オーソドックスな安定収益源だが、具体的増加策としては次の取組みを上げている。

①毎月分配型ファンドへの注力
②特徴のあるテーマ型ファンドの投入
③個人向け国債償還への対応
・個人向け国債、郵貯の大量償還・満期に対する運用提案の強化
・日本国債ファンド等を活用した、低リスク運用ニーズに対する対応
④社内評価制度の改定
・投信残高拡大をより評価する体系への変更

これを一覧しての率直な感想は、リテール証券における投信販売態勢はあまり変わっていないように思われる。別に大和のリテール営業戦略を古いといって批判する目的ではないが、他社のリテール営業戦略(対面営業)もほぼ同様のものなので、変わらない理由を考えてみたい。

 先ず高配当の実績のある毎月分配型投信は安定的に売れている。例えば、東海東京が昨年度販売した投信の72%が毎月分配型だったが、これは前の年度の54%から大きく割合が伸びている(同社決算説明資料より)。高配当の毎月分配型投信に対する様々な批判はあるものの、売れ筋商品に注力することは販売戦略の基本だろう。2番目のテーマ型ファンドは、証券会社としてこれからは○○だという投資戦略がなければならない。少し意地悪な言い方をすると、個人投資家の買いたい投信ではなくて、証券会社(若しくは投信運用会社)の売りたい投信ということになるが、営業現場で○○テーマを販売イベントとして実行していきやすい。以上の2つについては、どの投信を個人投資家に薦めるかという問題を、営業現場での営業員の説明・コミュニケーション能力に委ねることになる。

 3つ目については、問題となるような投信の短期的な乗換えよりは、貯蓄などから新規資金で投資を促すことがリテール営業現場での基本になる。大量の国債や郵貯の償還・満期はそのチャンスとして需要な時期なのだが、実はこの部分の資金はあまり投信には流入していなようだ。“貯蓄から投資へ”の政策が取られて久しいし、投信の販売チャネルも随分増加したが、日本の投信の世帯普及率は7.9%で、米国の43.9%とは大きな差があるし、個人金融資産に占める割合も3.5%と先進国では低いままだ。反対にリスクを嫌う預貯金の割合が増加しているのが現状だ。

 4つ目の営業員の評価制度変更への取組みも10年来のテーマだが、今でもリテール営業の戦略として上がっていることは、営業現場において、投信販売・投信乗換え・新規資金導入による販売のバランスある投信販売態勢が確立していないようにも思われる。結果、リテール証券としては、投信販売に期待する部分が大きいものの、残高増加への戦略的手法が未だ整っていないのではないだろうか。

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