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2017/06
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証券会社の今=危機感なき転換点
 証券会社のリテールビジネス環境はそれほど悪くない。投信もある程度売れるし、外債の販売環境も日本の低金利継続で良好だ。この部分はネット証券以外では、収益の半分以上を占めるようになっているので、別に日本の市場が低迷していても、金融商品の販売者としては成り立っている。しかし、これだけでは、世間一般が期待する証券会社としての役割を果たしているとは言えない。主要なリテール証券の前期決算資料を取り纏めていて、以下のような事を感じたのでコメントしておきたい。(以下は筆者の個人的視点なので、投資判断には役立ちません。また投資及び助言に利用しないでください。)

【ポイント1:証券会社が今、歴史的な転換点にあるのではないか】
 何も株価が安いのは証券会社だけではないが、以下のチャートの様に証券会社にとって大きなビジネスモデルの転換点になった前回の金融危機の株価水準を割り込んでいる。
●野村の1984年からの長期株価チャート
・バブル前の安値:533円(1984年7月)
・前回の金融危機時の安値:803円(1998年10月)山一証券等の破綻時期
(他の上場証券はこの時期に歴史的安値を付けている)
・今回の金融危機後の安値:403円(1998年10月)

【ポイント2:ホールセールのビジネスモデルが分かりにくい】
ホールセール部門が何で稼いでいくのか、戦略が明確化されていない。
・ファイナンスの関連する部門は、リーグテーブルという業界内順位を競うものが開示されている戦略だが、それがどの様に収益化されたり、企業や投資家にメリットがあるか説明されていない。
・M&A業務は成長しているが、この部分は金融機関など他の競争者との競争が厳しくなっている。
・全体としてトレーディング部門の戦略が見えない。野村は、リーマンのアジア・欧州地域部門を買収してこの分野を強化したとされる。野村の資料によると、東証での売買高シェアは、買収前の2008年4月の5.9%から直近の2011年4月では13.9%に倍増させている。しかし、それがどの様な収益上の効果を及ぼすのか、分かり難い。

【ポイント3:相対的にディスクロージャーが悪化しているのではないか】
業界の人間として非常に残念だが、証券会社も上場会社であれば、自らのディスクロージャーの徹底をお願いしたい。多くの株主がいるのに、業績予想さえ出せない事は問題だと認識してほしい。また、担当されている方々には申し訳ないが、大手3社の決算説明では次の点が投資家を失望させている。
・野村(リテールに収益を頼りながら、その拡大戦略が見えてこない)
・大和(安定収益とコストカットという当たり前の戦略すぎて、新規性が見えない)
・日興(銀行との協働成果の誇示以外、戦略性が見えない)
※以上はあくまでもディスクロージャー資料から受けた印象

今回の金融危機後、業界としては余り強い痛みを感じないうちに、証券会社は歴史的な転換点に追い込まれているように思えるが、日本の復活が日本の資本市場から始まることを期待した。

☆リテール証券の現状
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