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2017/08
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平成23年度金融商品取引法改正その2=証券関連部分
 本年度の金融商品取引法改正で、ライツ・イシュー=ライツ・オファリングについては既に前回解説したが、その他証券業務に関連する部分についても、その期待される効果を投資家の視点から見てみたい。

≪個人投資家にも関連する部分≫
【発行登録における発行条件決定時の発行登録追補目論見書交付義務の免除】
 これは、社債などの発行の際、次の3段階において資料を投資家に配布する必要がある。
・発行する債券などの上限額を決めておく→発行登録書
・実際の年限や発行額を決め、発行条件を利率1~1.5%と幅をもたせて、事前の募集活動を行う→訂正発行登録書→訂正発行登録目論見書として投資家への配布
・発行条件を正式に決定、例えば利率1.3%。正式な募集活動となる→発行登録追補書類→発行登録追補目論見書として投資家へ配布
 この後ろ2つの目論見書の記載内容の違いは、利率が確定して記載される部分だけだ。つまり、現状では社債などの発行の際、証券会社は目論見書を2度配布する必要があるが、個人向け社債などの場合、配布数が数万単位になることもあって、発行者・証券会社ともコストが掛かっていた。
 これを、事前の募集活動を行う時、社債を発行する企業がホームページ上で発行条件として利率を公表すれば、後ろの方の発行登録追補目論見書の配布が不要となるよう改正された。(来年の5月まで施行)

【無登録業者による未公開株等の取引に関する対応】
 この部分は、未公開株詐欺対策になる。詐欺的行為は、対象が未公開株であれ、健康器具であれ、起きうる行為なので、金商法との関係が一般には分かり難いところだが、逆に金商法の枠(無登録業者が未公開株を売った場合、その契約は無効=民事ルールの創設、)を被せることにより、以下の効果があると金融庁はコメントしている。
国民生活センター等による、無登録業者に対する代金返還交渉の仲介が容易にする
裁判での被害者の立証責任が軽減される
裁判所による無登録業者の資産の散逸を防ぐための保全命令の迅速な発出が可能なる 等
また、この部分の罰則が引き上げられ(この部分だけ5月20日から)、違反行為があった地の地方裁判所でも申立てができるように裁判管轄が拡大されている。(以上は、本年の11月まで施行)

【投資助言・代理業の登録拒否事由への人的構成要件の追加】
 この部分は金商法が制定される時、独立したプロの投資アドバァイザーを米国の様に育成しようと目論んで、参入基準を緩和した部分だが、この4月末時点で投資助言・代理業者は個人も含めて1118社ある。最近の財務局の検査では法令の遵守態勢に問題もあるところが出できたのと、暴力団などとの関係を排除する目的で、投資助言・代理として登録する際、法令等の知識や証券業務に関する経験等のある役職員を必要するように改正した。(来年の5月まで施行)

≪プロや海外投資家に関連する部分≫
【プロ等に限定した投資運用業の規制緩和】
 ファンドを運用するのは投資運用業だが、それを自分で売る場合、原則第一種金融商品取引業の登録も必要となり、このことが投資運用業の立ち上げの制約となっていた。この部分について、販売する投資家をプロの投資家に限定した場合に限り、登録要件を緩和する新制度が創設された。(来年の5月まで施行)
・資本金基準5000万円→1000万円
・取締役1名以上と監査役1名以上の監査役設置会社の形態でも良い
・第二種金融商品取引業とみなし、自ら運用を行うファンド持分の販売勧誘が行えるように特例を整備

【資産流動化スキームに係る規制の弾力化】
 現行の資産流動化法の仕組みは、資産流動化計画の変更手続等が煩雑で、規制が過剰との指摘があったが、この資産流動化計画の変更届出義務・手続を緩和し、資産の取得に係る規制を見直した。また流動化応用スキームとして、特定目的信託の仕組みを利用したイスラム債の発行を促進するための制度整備を行った、

【英文開示の範囲拡大】
 海外企業の日本市場での上場を後押しする為、発行者に関する情報に関して、海外で既に英文で開示されている情報があれば、敢えて日本語にしなくともその部分を有価証券届出書で利用できるように改正した。(来年の5月まで施行)

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