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2017/10
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市場のラビリンス
大震災から4ヵ月近く経とうとしていますが、心が痛むようなニュースが未だに多いように思います。
一定の目途がついたら若い方に任せたいと言われた方は、いつ辞めるのか聞かれると、辞めるなんて言っていないと強弁するのは、周りからみて分からなくても、ご本人が心のラビリンス(迷宮)で出口を探されておられるのかもしれません。しかし、原発の安全宣言とストレステスト問題は、関係される方々だけではなく、節電に励んでいる企業や国民全体をラビリンスに追い込むような事で、とても心が痛い問題です。
 本稿欄は、資本市場に関係した問題について解説などを試みる目的を持っていますので、なかなか解決しそうにない市場のラビリンスについて、触れておきたいと思います。

 一つ目は、高速化というラビリンスです。
勿論、取引の高速化は市場にとって良い事なのですが、むしろ取引情報の高速化とそれを利用したアルゴリズム取引の問題があります。ここでいうアルゴリズムとは、株式の売買を執行する為、コンピューターにプログラミングする処理手順の事を指しますが、代表的なものの中に売買注文の状況を読み取り、自らの売買注文を増加させたり取り消したりするものがあります。もしAさんとBさんが、このアルゴリズムを同じように使おうとしたら、少しでも早くこの売買情報を取り入れ、少しでも早く自らの売買注文を変更した方が有利になります。このように高速化は、ミリ秒単位からマイクロ秒単位まで進んでいきます。このこと自体はラビリンスではなく、同じような人たち(ファンドなど機関投資家や投資銀行の自己売買部門)の競争です。しかし、市場には彼らだけではなくアルゴリズムを使わない個人投資家なども参加しています。もし、コンピューターによる高速化されたアルゴリズムを使わない個人投資家が、市場の注文状況を見て、自らの売買注文を頻繁に変えていったらどうでしょうか。法律の禁止する相場操縦の禁止の中に、約定する意思のない注文を“見せ玉”として禁止していますが、プログラムで自動的に行うこと、人が行うこと、この違いを市場参加者全員に分かりやく説明する必要があります。実際に、個人投資家がアルゴリズムでの発注を誘因する目的で、“見せ玉”を利用した件が相場操縦行為として摘発されていますが、アルゴリズムに他の取引を誘因する目的のものが無いかどうも検証する必要があり、そのことを個人投資家に公表すべきではないでしょうか。

 二つ目は、空売りというラビリンスです。
空売りに関する法的な問題については、本欄“空売りはいけない行為なのか”(6月21日)で取り上げましたが、どの様な目的の空売りが良くて、どの様ものなら問題があるのかという事がラビリンスの入り口です。空売りは、誰かから株式を借りて売却し、その後買い戻す行為ですが、今度の金商法改正では、公募増資公表後、空売りした投資家には公募株を割り当ててはならないというルールが導入されます。しかし海外の投資家は、公募公表以前から公募情報が洩れている疑義を指摘しています。この指摘に沿うなら、公募公表前からの空売りにも公募株を割り当てるべきではないという事になりますが、公募情報を利用したものかどうか判別できないという事でしょうか。いずれにしても空売りがいけないのではなく、公募増資の仕方が問題だと思います。

 以上2つの市場のラビリンスから抜け出る為には、何の目的か明確にして、それに沿った議論を行い、その内容を市場参加者で共有する努力をすることではないでしょうか。それは、永田町のラビリンスも同じかもしれません。

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