*All archives* |  *Admin*

2017/08
<<  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31  >>
ライツ・イシューは株主の選択肢を増やす
 大震災からの復興の為、前向きなファイナンスが今後増加すると思われるが、大規模な公募増資やCB(新株予約権付社債)の発行は、既存株主にとっては短期的にはダメージである。ファイナンス公表後の株価下落に耐えなければならない事を指すが、その背景には、企業の増資の目的が、投資家や株主に理解され積極的に評価されるのに時間が掛かる場合が多いこと、また企業によるファイナンス公表時の資金使途の説明が、充分でないことも理由として上げられる。

 勿論、既存株主であっても一旦株式を売却して、安くなった公募株を購入するという選択も可能だ。公募株は市場の時価より数%デスカウントして発行されるので、この方法を使えば株主は保有単価を引き下げる事が出来るかもしれない。事実、銀行株の公募増資ではこの様な既存株主によるオペレーションが相当数行われていた。しかし、これは何かおかしい。(実際はないが)もし全ての株主がこの様な行動をとったと仮定したら、既存株主の持分は増えず、市場では既存株主が売却した株式が潜在的な余剰株式として長期の売り圧力になってしまう。また、必ずしも公募株を株主が、売った分だけ公募株を入手できるか保証されていない。

 よって多くの既存株主は、公募で調達された資金が事業拡大や再構築に使われて、将来企業価値が増大することを期待しつつ、短期的な株価下落に耐えるという選択肢をとる。(選択肢というより、我慢かもしれない)

以上を簡単にまとめると、公募増資などの際、株主が取り得る行動は、
A=そのまま保有し続ける。
B=売却する。
C=公募株取得する。
以上の3つの単独か、若しくは組み合わせとなる。

 一方、ライツ・イシュー(ライツ・オファリング=新株予約権の株主割当)は、上記の3つの選択が次の様に変わる。
A”=そのまま保有し続けで、ライツ(新株予約権)を受け取る。
B”‐1=ライツを受け取る前に売却する。
B”‐2=ライツを受け取るとった後、ライツのみ売却する。
B”‐3=ライツを受け取るとった後、ライツと株式を売却する。
C”‐1=受け取ったライツを行使して、新株を取得する。
C”‐2=市場から買ったライツを行使して、新株を取得する。
以上の6つの単独か、組み合わせの対応となり、公募増資等に比べ格段に選択肢が増加する。

2割以上新株や潜在株式が増加して既存株主の希薄化が問題となる公募増資でも、ライツ・イシューでも、新株を市場に流通させるということでは同じ行為だが、ライツ・イシューの場合、既存株主は少なくとも自らの選択で、保有する株数相当分の新株を手に入れることが出来る。公募増資の場合は、自ら選択ではなく、引受証券会社の新株配分の裁量に頼らなければならない。

 また引受業務の集約化が進んだ結果、現在、公募増資等企業の大型のファイナンスを実務的に取り扱えるのは、大手5社と主要な外国証券に限られていて、300社弱ある証券会社の殆どが企業のファイナンスにタッチしない。しかし、日本株を取り扱う証券会社であれば、上記にライツの対応に関して既存株主のみならず投資家に助言することも可能で、ライツ・イシューの普及が、ファイナンスに関する証券会社のビジネスの幅を拡げる可能性もある。この事にも期待している。

スポンサーサイト

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

Secret
(非公開コメント受付中)

最新記事
カテゴリ
最新コメント
プロフィール

ポーラスター

Author:ポーラスター
2009年1月スタート

最新トラックバック
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
RSSリンクの表示
参考文献
QRコード
QRコード