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2017/09
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欧州での空売り規制強化に想う
先週の欧州株式市場は、すっかり市場対政府の構造になってしまった。欧州各国の財政不安の連鎖から、フランスの格下げ懸念は、同国国債を大量に保有する仏銀行株売りになり、フランス・イタリア・スペイン・ベルーギーは、一時的に銀行株の空売りを禁止した。
 そもそも、空売りは問題ある行為なのだろうか。市場関係者は、本質的に規制を嫌うが、空売り規制に関して、一定のルールに基づいたものなら仮需用を創出し市場の流動性向上に寄与するのだから、空売りを認めるべきとする考えが大勢になっている。その一定のルールというところが識者でも意見が分かれる。
規制の目的は、市場を壊さないことだが、どの様な状況までなら市場の維持に悪影響があるか、実は良く分かっていないように思う。
 現在、金融危機後の日本において強化されている空売り規制は、株式を借りないで空売りすることを禁止するものと、一定の量(発行済みの0.25%)以上空売りした場合の報告義務がある。この規制の意味を、市場を壊さない=他の市場参加者の取引を守るという視点から見ておきたい。

そもそも、株式を借りないで売却することが可能な場合とはどの様な状況か。
・空売りした後、決済日までに株式を借りて充当。=空売りした時点で、株式を借りておかなければルール違反だが、この確認義務は空売り注文を受ける証券会社にある。
・信用取引利用の空売り=普通の個人投資家は、株式を借りることが出来ないが、信用取引制度で空売りすることが可能だ。ただし、制度信用なら証券金融会社、一般信用なら証券会社が其々対象の株式を借りることが出来なければ、そもそも空売りが出来ない。
・相対取引での空売り=市場を通さない空売りは規制の対象外なので、勝手にどうぞというところだ。しかし、空売りを受けた相手(通常を証券会社)は、リスクを避ける為に市場で株式を借りて売るという空売りを実行する場合も多い。反対に、空買いに相対取引で向かった証券会社は、市場で買いカバーしなければ、それは空売りとなる。個人向けの株式相対取引である個別株CFDでは、A社523銘柄中25銘柄が空売り出来ないが、カバーする証券会社の問題だろう。

次に、空売りの報告義務だが、空売りが出来ない=つまり株式を借りることが出来ない投資家にとって、空売りされたものが何れは買い戻されるという仮需要を期待することはあるだろう。信用取引に関しては、その空売り残高は空買い残高とともに銘柄毎に公表され、投資判断材料の一つとなっているが、大きく株式を借りて売るようなファンド等の空売りは、前述の空売り報告で取引所に公衆縦覧されているものしかない。その空売り報告も、投資家或いはファンド毎の報告書のみ公表されている。
例えば、五洋建設(1893)だが、
・先週公表された信用残高は、売り728万株(買い2871万株)
・先週末、東証で公衆縦覧されている大口(発行済みの0.25%以上)の空売りは4社分合計2025万株(発行済みの約7%)
となっており、この部分で見る仮需要は拮抗しているようにも見える。

この空売り規制の問題は、仮需要創出の為に空売りは必要だが、市場での売買は株式をちゃんと借りて売ることと、仮需要は他の市場参加者からみて実態が分かるようにすべきで、それが市場を守るということだろう。

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