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2017/10
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敢えて個人投資家の投資対象として国内債券市場を考える。
日本の国債が、ムーディーズによってAa2(AA)からAa3(AA-)に格下げされた。米国債格下げの時の様な影響が市場に出るか分からないが、取りあえず円は売られていなようだ。直接には国債の格下げなのだから、円よりはJGBと呼ばれる日本国債が売られても良いように思うが、こちらは株式市場と異なりシッカリした値動きだ。そもそも、個人投資家が日本国債を始め、低金利の日本の債券を投資対象とする為には、何が必要なのだろうか。敢えて、夏休みの宿題の如くに考えてみたい。

○投資ニーズに合った品揃え=債券なのだから、価格・期間・利回り・信用力(格付けなど)・ネーム(個人投資家の受ける発行体のイメージ)などの情報が整理されて、個人投資家に提供されていなければならない。つまり、流通市場の状況などが、FX取引における為替レートの様に、個人投資家レベルでも容易に入手できる必要がある。但し、日本の国債が今いくらか聞かれると、指標となる10年物の利回りとその先物の価格を答える事が出来るが、トヨタの社債が今いくらか同様に問われると、多くの金融商品業者は答えにくいかもしれない。その為に、個人投資家の投資に適した日本債券の指数整備が別途必要かも知れない。

○デリバティブ=個人投資家の取引量が増加する為には、個人も参加可能な先物・オプション取引などのデリバティブが必要だが、日本の債券市場は現段階で流通市場整備が課題なので、デリバティブを論じるのは少し早いかもしれない。ちなみに、国債に関しては東証において先物とそのオプションが上場されているが、個人投資家の取引は殆どない。社債ではないが、発行企業の信用力に関してデリバティブとしてCDS(クレジット・ディフォルト・スワップ)がある。しかし、このCDSは主要金融機関同士の相対デリバティブ取引なので、個人は利用できない。敢えて、個人利用可能な債券関係のデリバティブを上げれば、CFD取引があるが、現状では日本の国債先物指数に関するものだけが取引可能だ。

○レバレッジ取引=債券取引は、通常額面1億円単位と言われるが、外国為替市場におけるFX取引の様に、もし個人が債券市場に容易に参加しようとするなら、少額の証拠金で取引参加出来るので、CFDの様なレバレッジ取引(債券のレバレッジ限度は、証拠金の50倍以内のレバレッジまで可能)が、現実的な個人の取引手法かかもしれない。しかし、この債券関係のCFD取引を扱う金融商品取引業者は未だ数社に限られている。

○売買インフラ=日本国内の債券も完全にペーパレスになったのだから、業者間の取引単位や決済日の従来の取引慣行に従う必要はない。最低額面での取引や、即時の決済も可能となるので、例えば購入した債券を担保(代用有価証券)にFX取引やCFD取引の証拠金取引・株式信用取引の保証金とすることも可能だ。むしろ問題は、債券のリアルタイムな価格情報の入手が、現状の為替や株式に比べて困難な点にある。国債・社債に係らず日本の代表的な債券銘柄・指数の価格情報のインフラ整備が待たれるが、日本証券業協会のワーキングにおいて、諸外国の制度を参考に社債の売買価格情報を投資家も利用可能とするシステムの検討が2年近く行われている。

個人投資家を抱える証券会社の多くは、何も日本の債券を個人に売買させなくとも外債を販売すれば良いといわれるだろうが、例えば、日本国債の売買をFX取引に様に多様な個人投資家が取引参加することで、国債の背後に財政問題・信用力問題・金融機関の運用の問題など、国民レベルの議論が拡がることも期待できるのではないだろうか。
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