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2017/06
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投資家視点からの総合取引所議論
結論から言えば、日本でも総合取引所になった方が良いと思う。取引所は、その国の資本市場インフラの中心なのだから、グローバル化の中でも、日本に投資資金を集める為には、インフラとしての機能を充実=取引所システムの強化が求められる。その為、持続的に多額のシステム投資(ソフト・ハード含めて)が必要だとされていて、欧米の取引所グループと張り合うというより、アジアの中でトップの資本市場機能を維持する為にも、取引所間の経営統合が進むべきとされている。その通りなのだが、では投資家にとってどの様なメリットがあるか、少し分かり難い。その為、現状の総合取引所に関する論点やポイントなど投資家視点から整理してみたい。

【東証と大証の統合方法について】
 8月中旬に株式市場に流れた統合スキームの噂は、東証が大証にTOBをかけ、完全子会社化するというものだ(両取引所否定)。同スキームの考え方は、上場会社である大証を非上場会社である東証が完全子会社化を目的にTOBを実施、3分の2以上がTOBで取得出来れば、残りの株主をスクイーズ・アウトして大証を東証の100%子会社化(当然、大証は上場廃止)、その後、大証をグループ子会社化した東証が自らの上場を目指すと言うものだ。現在、大証の株主は66.1%(3月末時点)が海外投資家なので、彼等を納得させる為には相当のプレミアム(時価からの上乗せ)がTOB価格に付くのではとの思惑が走った。

 このスキームは、東証と大証の経営統合を今期中に実施したいのであれば有力なスキームとなるが、少し強引な印象を拭えない。しかし、その背景は次の様な要因があると見られている。

・東証の上場問題=東証自らが早期の上場を果たせば、大証との統合は上場企業同士の合併若しく経営統合となり、市場にプレミアムを支払う必要はない。但し、他の取引所との統合に関して明確な方針を示さないまま東証自らが上場して良いのかという議論がある。

・東証の身代わり上場問題=普通の上場会社を子会社化し、親会社の事業を子会社に実質的に移管させて行うことを身代わり上場と言うが、東証は非上場のまま大証を経営統合して、大証の上場を存続させながら両取引所の経営統合を進めた場合、厳格に見れば身代わり上場の問題があると指摘する意見がある。(※筆者はそうは考えない)

【取引所機能の効率化問題について】
 取引所機能の効率化問題で、議論の中心のなっていることは清算機能の集約の問題だ。有価証券の最終的決済・保管は証券保管振替機構で行われるが、その前に取引所取引の現物株は東証傘下の日本証券クリアリング機構(JSCC)で行われ、上場されている先物などのデリバティブ取引は、各取引所内清算組織(東証はJSCC)に行われる。この清算機関の効率化問題は、具体的には東証(JSCC)、大証更に上場FX取引や上場CFD取引などの東京金融取引所などの上場デリバティブの清算機能を纏めて、効率化してはどうかと言う問題と、商品先物関係の決済機関である日本商品清算機構は資本が小さいので大口取引に支障が出る懸念があるので、金融商品の清算機構と統合の可能性を検討出来ないかといった、2つの主な問題に分けられる。

【取引所の取引参加者の問題】
 投資家は取引所の取引に直接参加する訳ではなく、その注文を証券会社等の取引所取引参加者に委託する。つまり、投資家は取引参加者を通じて取引所機能を利用することになる。総合取引所議論では、取引所の総合化で取引参加者の取り扱う商品も証券先物・商品先物と横断的になって、投資家も幅広い投資商品をワンストップで利用できるメリットがあるとされている。確かに、現在の進化した取引所機能をフル利用できる海外投資家や一部機関投資家はその通りだろうが、個人投資家レベルまでメリットが波及する為には、リテール(ネット証券を含む)証券等の取次機能に充実に関しての具体的議論が無いよう思われる。総合取引所というハードがあっても、個人が利用できるソフトが未整備なら、総じて投資家メリットが大きいとは言いにくいのではないだろうか。

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