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2017/06
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総合取引所議論のポイントと現状
今は余り金融立国というキャッチ・フレーズは使わなくなったが、アジアのメイン・マーケットと確固とした地位を日本の資本市場も築こうという成長戦略の中で、総合取引所構想は議論されている。現物株市場として上海や深圳など中国市場の成長は著しいし、先物などの機能も整備しつつある。韓国やシンガポールはいち早く総合取引所化を進める中で、日本市場はアジアの中核市場として生き残っていけるのだろうか。その様な危機感を官民で共有し、この業界をグローバルな競争力にあるものに変えていこうというテーマとして、総合取引所議論は意味の深いものになる。

 現在、金融庁・経済産業省・農水省で行われている総合的な取引所検討チームにおける議論では、総合取引所のあるべき姿として、次の点を上げている。

①内外の投資家のニーズに応える「多様な品揃え」
②内外の投資家を呼び込み透明かつ公正な価格形成を可能とする「豊富な流動性」
③全商品に注文から決済に至るまでの一貫したサービスを提供する「取引の一体性と利便性」
④強固な経営基盤と、公正・公平・透明な取引ルール等を備える「運営の信頼性」
⑤国際的な取引所間競争を勝ち抜くための「経営の差別化」

この論点を現状に合わせて考えてみる。
・「多様な品揃え」=確かにETFやETNで、個人投資家レベルでも商品や資源に投資することも可能になった。しかし、IPOの減少は個人投資家の新興企業投資の幅を狭めている。また、国内の商品取引所へのアクセスは良いとは言えない。
・「豊富な流動性」=各取引所の取引システムは超高速化によりアルゴリズム取引に対応しており、流動性は向上しているが、現状では指数及び指数関連銘柄に限られている。
・「取引の一体性と利便性」=せっかくペーパレス化したのだから決済期間もT+3から、せめてT+1(取引の翌日に決済終了)に改善出来ないものだろうか。また、主に個人投資家が利用する信用取引に関しても、日計り商い(デイトレード)や担保価格の値洗いなど現行制度を改善していく余地は大きい。

 検討チームに於ける問題認識としては、次の様な点が上げられている。
●取引所が巨大なシステム装置産業化する中で、現在9ある取引所の中には財務・経営基盤が悪化
し将来の展望を描くことが困難な取引所が存在。
●利用者の窓口である業者については、証券・商品先物の総合化は進んでおらず、利用者利便が損
なわれている。
●清算機関が証券、金融先物、商品ごとに別々で、その中には財務・経営基盤が弱く、国際的な競争
力がないものがある。また、異なる清算機関間では証拠金の一元化が困難。
●税制が先物と現物株で損益通算ができない。

以上の問題に関して筆者も全くその通りだと思うが、特に2番目の市場仲介者(業者=取引所の直接参加者)は投資家に直接向かうので、取引所の総合化の問題は、同時に業者の総合化の問題である。総合的な取引所は、日本の金融インフラの問題だが、そのインフラを多様な投資家が有効に活用してこそ、総合化の意味は大きい。当然、個人投資家も利用しやすい総合的な取次ぎを行う業者も多様性があるべきで、その為に、総合的な取引所にIT化で重装備しなくとも参加できる仕組みも求められるのではないだろうか。

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ジャンル : ビジネス

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