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2017/10
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リーマンショック後3年、投資銀行とは何だったのか=その1
みんなが目指した投資銀行とは何だったのか。みんなとは金融機関を指すが、大手の金融機関なら自ら投資銀行になること、中小ならIPOやファンドビジネスなど投資銀行業務の一部に特化して稼ぐこと、これらを総じて投資銀行になる、投資銀行業務に注力すると言った時期があった。本稿では、このうち大手金融機関が目指した投資銀行とは何か、そしてそれらの抱える問題は何かについて考えてみたい。

 先ず投資銀行とは具体的に何処のことを指すのかというと、大手米銀・証券と欧州ユニバーサルバンク、そして残念ながら日本では野村だけになる。特に野村は、金融危機を好機と捉え、リーマンのアジア・欧州部門の一部を吸収し、資本を増強し、国内最強のリテール営業をテコにして国際的な投資銀行へ脱皮しょうとしているのは周知のことだ。その野村が、株価280円台PBR0.5倍とは、業界の人間としていささかショックを感じるが、欧米の投資銀行の株価も金融危機以来の低水準にある。勿論、日米欧でそれぞれの株価下落要因があるのだが、大和の株価を下回って野村が売られているのは、野村型投資銀行モデルの現状に対する市場の評価ではないだろうか。(※本稿は野村や大和の投資判断を促す目的ではなく、投資銀行のビジネスモデルを論じるものです。)

 そもそも投資銀行とは、どの様に定義されているのか。
「詳説 現代日本の証券市場2006 年版」(日本証券経済研究所)によると、次の様に示されている。
『「有価証券に関する助言・情報提供」とは取引先企業に対して自社株消却等の資本政策や事業部門の分社化、公開価格、買収価格の算定などM&Aに関連するコンサルタントサービスである。「組合契約、投資事業有限責任組合契約等」は未公開株に投資するファンド(ベンチャーファンド、プライベートエクイティファンド)組成、「金銭債権の売買等」は金融債権の流動化、証券化に係る業務である。こうしたM&A、金融債権の流動化・証券化、未公開株ファンド組成などはこれと連動する引受業務とあわせ「投資銀行業務」と総称される。』

その通りだと思うが、金融機関の人間でなければ業務をイメージし難いので、投資銀行の組織から投資銀行業務の説明を試みてみたい。
 大手の投資銀行にあっては、リテール部門に対するホールセール部門(総じて投資銀行業務を行う部門)は、主に次の3つに分かれる。

・(狭義の)投資銀行部門=企業の成長戦略や、組織の財務上の効率性に関してアドバイスを行う。ファイナンスやM&Aをビジネス・ターゲットにし、証券化やファンド利用も支援することがある。

・エクイティ部門=機関投資家やファンドなどの大手投資家を顧客として行うブローカー業務、自己売買を行うプロップ取引業務、更に特定のファンドに特化して与信や決済サービスを提供するプライム・ブローカー業務などがあるが、組織外に直系のプロップ・ハウスやファンドを持つこともある。近年は、ファンドとの関係が強まっている。

・ボンドマーケット部門=エクイティと同様の債券取引でのブローカー業務、自己売買取引などが中心。また、金融危機までは証券化業務が大きな収益の柱となっていた。その為、組織外にSPCやSPVを保有することも多い。また重要なツールとして格付けがあるが、“優先劣後の構造の利用やソブリンリスク、信用力のデリバティブであるCDSなど金融危機の引き金になった事項との関係も深い。

以上の3つの組織がグローバル展開してこそ一流の投資銀行と言えるが、組織は国別というより上記の部門別に運営されており、組織内においても部門の利益を優先する傾向が強い。また部門間、部門内での利益相反という問題は依然から指摘されていたが、金融危機以降、投資家との利益相反について厳格化すべきとの行政の動きが強まっている。

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