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2017/08
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証券税制の論点をやさしく考える
税制を一括りで論じることは難しい。様々な政策の結果として、現状の税制があるが、時々の政策によってその重要度が変わる為に、本筋の議論と対応策としての課税措置が、必ずしも一方向に向いていないこともある。現在、金融庁の金融税制調査会では、年末に決定される来年度の税制改正に向けて、金融関係分の要望を取り纏めるべく検討が進められている。この中で、証券税制関係分について、個人の投資にどの様な影響があるかという視点で、論点となっていることを考えてみたい。

【軽減措置】
上場株式等に対する譲渡益課税の軽減措置だが、最近は10%の申告分離課税と本則の20%の半額が常態化しているように思う。そもそも、上場株式などの譲渡益は、他の所得と分けて20%を課税するという原則があるが(2003年度税制改正で決定=“貯蓄から投資”政策を進める為に他の所得と分離)、株式市場の下落対策などの目的で半額に軽減されている。この措置は、今年末で終了する予定だったが、景気回復の為の市場対策として2011年度税制改正(昨年12月公表)で2年延長され、2013年末までとなっている。

【金融所得一体課税】
 個人の投資に関する所得は、他の所得と分け一本化して課税すべきという考え方は、既に過去の税制調査会でも打ち出されているが、株式・債券・預金や保険・投信のみならず個人が利用できるデリバティブの発達もある。これらを、どの範囲まで、どの様に金融所得と位置付けて、一体的に課税するか、その方法が問題になる。金融商品を定義して、一律で20%の本則課税にすれは良いに思われるが、その前に上場株式や公募株式投信の譲渡益・配当などの軽減措置を止めなければならない。この軽減措置が日本の株式市場にどの程度好影響を及ぼしているか別にして、少なくとも個人の株式や投信売買にはプラスなので、続けて欲しいというのが証券業界の主な意見のようだ。

【損益通算】
 上記の一体課税を進める為には、個人が投資している金融商品間の損益通算が可能であることが望まれる。例えは、A株で100万円の売却損があれば、B株で50万円の譲渡益が出たとしても、損益通算されて課税されず、残りの50万円の売却損は、他の株式の譲渡益や配当課税などと3年間損益通算できる。株式に関しては2009年より損益通算の繰越しが可能となっている。これを順次他の金融商品にも拡大していけば良いよう思われるが、現状は課税方法も異なるので、先ずその足場作りといったところだろうか。
例えば、債券の譲渡益は現在非課税だが、株式と債券の損益通算などを行う場合、この課税方法を見直さなければならない。その為、2011年税制改正では株式の軽減税率撤廃を前提に、債券のキャピタルゲイン課税や株式との損益通算を検討することが決まっている。
また、デリバティブに関して、取引所ものが申告分離(雑所得)なのに対して、店頭取引が総合課税(雑所得)の現状も、来年1月から申告分離に一本化される。
株式・債券・デリバティブ間の損益通算が、何れ可能となるような整備は進められつつある。

【少額非課税貯蓄制度】
 老後の資産形成や、個人が人生の要所で必要とする資金を、非課税の投資枠を使い継続投資する制度設計が望まれるが、具体的には日本版401K投資枠や対象の拡大や、日本版ISAの制度整備が待たれる。日本版401Kの拡充は年金制度改革議論が必要なので、少し時間が掛かりそうだが、日本版ISAは投資の裾野拡大の為にも期待されている。但し、現状では譲渡益の軽減措置廃止が前提となっており、また現在示されている制度も、投資による個人の資産形成というより、期間が短かかったり、継続して非課税枠を利用できないなど、試験的な取組みの域をでていないように思われる。

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