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2017/10
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個人投資家にとってのPTS
証券取引所を通さずに株式を売買する私設取引システム(PTS=proprietary trading system)の取引が急拡大しているという。現在PTSは7社(9月に松井、10月にカブドットコムが停止へ)あるが、このPTSでの取引額は8月に合計1兆7143億円となり、大証やジャスダックなどの取引量(大証グループ合計1兆4884億円)を上回ったことが報じられている。
 もともとこのPTSは、金融ビックバンにより取引所集中義務がなくなったことから可能となったが、その後制度整備も進み、現在は5億円以上の資本で当局の認可を受ければ証券会社が株式取引システムとして開設することが出来る。昨年の夏ぐらいまでは、市場全体の取引に占める割合は1%未満であることが多かったが、その後取引シェア拡大傾向に入り、8月は4.5%まで上昇、9月以降もこの傾向が続いているようだ。
 PTSは取引所外取引だが、一昔前には取引所外の取引と言えば、証券会社が機関投資家など大口顧客の需要で売買を相対で受けるイメージだった。このPTSによって、個人も取引所以外で取引することが可能となったが、実際に取引所取引とは何が異なるのだろうか。

【呼び値を細分化】
PTSの取引ルールは、勿論当局の認可を受ける必要があるものの、比較的自由に決められる。例えば、取引所であれば1円単位の呼値だが、これを0.1円単位に細分化することが出来る。
500円買いの501円売りの様な売買板の状況の時、500円50銭の売りや買いが入れば、売買成立の可能性が高まる。

【取引時間の自由化】
PTSは取引所の取引時間に縛られることなく、その取引時間を設定することが出来る。今の様に、海外要因で日本の株価の方向性が決まるような状況であれば、海外市場動向が見える夜間に日本株を取引きするということも可能だ。ただし、大震災以降、夜間の取引を制限したり、取り止めているところ多いので、個人のPTS夜間利用は、今後の課題かもしれない。

【個人投資家にとっての最良執行の可能性】
同一株式を、PTSを含めて複数の取引システムで売買する米国では、注文を取り次ぐ証券会社に最良執行義務があるが、日本でも法律では定められているものの、いままでイメージし難かった。しかし、PTS側の取引量が増加してくれば、取引所とPTSどちらが投資家にとって優位か、その選択の余地は個人投資家にも拡がる可能性がある。

【個人が利用できる多様な注文形態】
 現在でもネット証券の一部が提供しているシステム売買的な注文方法も、PTSとして提供することが可能になるが、問題はむしろ注文を取り次ぐ証券会社の方にありそうだ。

最後に、個人の株式取引の6割以上を占める信用取引に関して触れておきたい。
【信用取引対応について】
 現在、信用取引は取引所取引でなければ行うことは出来ない。だから、PTSでは株式のレバレッジ取引を行うことが出来ない。しかし、信用取引制度を利用しないでも、証券会社が投資家に融資を行う与信管理、空売りする株を調達する株式レンディング機能など整備していけば、PTS利用でもレバレッジ取引を行える可能はある。勿論、空売りの通知やアップティックルール遵守などの態勢整備がPTS側にも求められるだろうが、将来の検討テーマとしてあった方が良いと考える。
 それまでは、個別株CFDで信用取引の代替を行うというのが、今の業界関係者のイメージに近いのだろう。

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