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2017/06
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今こそ期待したい自社株買い増加
世界経済の先行きも不透明なので、手元資金を手厚くしておきたい。個人として気持ちは分からないでもないが、上場企業の財務戦略としては如何なものだろか。

日経によると、この3月期末時点で上場会社の手元資金(現預金+短期の有価証券)は過去最高額となったようで、連続比較ができる1076社(金融、新興市場企業は除く)を対象に集計した手元資金は、51兆7474億円と前年度末より4%増えている。

一方、2011年度上半期(4月~9月)の自社株取得は、6725億円と前年同期比8割増加したようだが、この水準でも金融危機前の自社株取得の3分の1にも満たない。ちなみに、2008年の上場会社の自社株取得額は4兆302億円、その前の年は4兆4942億円と今とは全く水準が違う。
潤沢な手元資金、前年より増えているとは言えまだ低水準の自社株取得。せめて、手元資金の1割でも自社株買いが行われば、欧州不安や世界経済の減速にもっと抵抗力のある日本市場になるのではと淡く期待してしまう。BPR(株価純資産倍率)が1倍を大きく割り込んでいる企業の経営者は、真っ先に自社株買いという投資案件を優先していただきたい。

 その自社株買いの具体的な方法と処理について、簡単に触れておきたい。
先ず上場企業の自社株取得についていうと、3つの方法がある。ただし、自らの株式を売買する上場企業であっても市場の1参加者として取引ルールに従わなければならない。

①TOB(公開買付)による自社株取得
これは、主に大株主などから纏まった買い取り要請がある時に利用される。自社株を一度に大量に取得しようとする時に適していると言われるが、20営業日以上の期間に同一価格で取得することになるし、株主への周知も必要なことから、手間やコストが他の方法よりもかかる。それでも、売却を予定している大株主以外の他の株主へもTOB応募の参加機会を与えているので、株主平等原則から優れた方法と言われている。なお、MOBの場合のように買取価格に大幅なプレミアムがつくことはなく、あっても数%である。主に発行済み株式数の5~10%以上を自社株取得しようとする場合に使われる。
(※自社株といえども、市場外取引で株式を5%以上取得する場合は、TOBによらなければならない。以下の2つの方法は、一応市場(取引所)取引なので、このTOB規制はかからない。)

②取引所での立会時間外取引による自社株取得
金融機関からの買取りや持合い解消など場合に利用される。方法としては、前日の取引時間終了後に、翌日の実施を公表、買取価格は前日の終値で行う。周知としては1日しかないので、売り手との合意が事前に必要になるが、東証のToSTNeT-3や大証のJ-NeTを使うことで、立会時間外だけれども市場取引となる。以前は、注文時間優先だったが、本来自社株として取得すべき上場企業に先んじて業者などの鞘取り行為もあったために、委託注文の案分方式に変更されている。主に、売り手が決まっている場合の発行済み数%までの自社株取得に利用されている。

③市場(立会時間内)からの買付けによる自社株取得
この方法が、株主や投資家から最も期待されているのは当然だ。しかし、自社株取得においても上場企業は市場の1参加者なので、市場取引ルールは守らなければならない。例えば、企業は自らのインサイダー情報をもっているが、当然公表後でなければ自社株であっても取得することはできない。だから上場企業が市場から自社株を取得できる時期は限られているが、一般的には、総会のある上期より、上期決算発表後の下期の方が可能な期間が長くなる。
もう一つ注意しなければならない市場取引ルールは、不正取引としての相場操縦行為だが、これに配慮して上場企業の自社株取得に対するルールがあった。1日の出来高の25%以下しか買付けないとか、引け前の30分間の買付けを行わないといったものだが、この部分については金融危機後の空売り規制とともに停止され、現在は100%企業の自社株買いであっても良いし、引け間際に自社株を取得することも出来る。

 上場企業が、自らの潤沢な手元資金、市況環境、取得規制の緩和を上手に使うことを期待し、日本市場が強さを回復することを祈りたい。
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