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2017/10
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信用取引の状況と問題点・改善への動き
日本の株式市場における信用取引制度の現状について、見直しておきたい。
先ず10月の株式市場の売買代金(東証1部、2部、マザーズの合計)40兆9,721億円の内、個人投資家が占めるのは6兆7,067億円で、全体の16.3%となっており、復興需要期待のあった4~6月の20%台半ばから大きく減少している。
また、その個人投資家の取引の内、62.8%が信用取引によるものだが、10月の信用買いと信用売りの比率(個人投資家分)は、49.8%対50.2%で僅かに空売りの方が多い。

以上は、東証の統計資料による数字だが、いったい個人投資家のうち信用取引をする人はどの位いるのだろうか。日本証券業協会の資料によると、今年9月末時点では、777,353人が信用取引の口座をもち、信用取引残高は1兆376億円なので、単純に計算すると10月中に個人投資家の信用取引は6.4回転していることになる。これを売買に引き直すと、信用取引のイメージは1週間に一往復取引している。個人投資家の口座数は、9月末で1482万口座なので、凡そ20人に一人が信用取引を行っていることになり、信用取引をしない個人投資家に比べ、相当程度に頻繁に株式の売買を行う。その為、取引コストは重要な取引決定要因となるので、当然ネット取引を選択する場合が多く、大手ネット証券5社による個人投資家の信用取引シェアは8割に達していると言われている。
取引コストの中には、手数料と信用取引で買建てた分の金利が含まれるが、大手ネット証券5社にみる手数料と金利収入(投資家のコスト部分)の比率は、今期第一四半期は以下の様になっている。

・SBI=手数料1に対して、金利収入0.82
・松井=手数料1に対して、金利収入0.62
・カブコム=手数料1に対して、金利収入0.93
・楽天=手数料1に対して、金利収入0.52
・マネックス=手数料1に対して、金利収入0.67

ネット証券にとって、主要な収入源の手数料と信用買いからの金利収入は、引下げ競争があってもいずれ平準化されると考えると、金利収入の相対的少なさから、松井ら楽天の信用取引顧客の方が、カブコムやSBIの顧客よりも頻繁に売買しているのではないかとの仮説も成り立つ。つまり、先の2社の方がデイトレーダー(値鞘取りを狙って短期売買を行う個人投資家層)の取引比率が高いのかも知れない。

今上期に、大手ネット証券は信用取引関係で2つの取組みを強化させている。

一つは、信用取引で売建て可能となる銘柄を増加させているが、投資家に貸すべき株式を調達してくる必要がある。その為、自社の顧客からの株式調達強化を目的に、貸し株サービスとして個人投資家の注目度が高い銘柄などの借入金利(年率の%で表示=個人投資家の収益)を大幅に引き上げて、信用取引で貸すか株の調達力を強化しようとしている。

二つめは、信用取引での日計り商いを何度でも行えるように、取引を大阪証券取引所での立会時間外取引でマッチングさせ、即日に決済を行うことで同じ担保(代用有価証券及び保証金)を何度でも使えるように工夫したサービスを始めた。ただし、これは1社(松井)によるサービス提供に限られるので、松井の顧客内で売買注文をマッチングし、決済を大証で行うという仕組みなので、流動性のある銘柄しか有効でないかもしれない。

一つ目の貸株サービス提供の背景には、信用取引の売建て(空売り)で利用する株式の調達に関して、信用取引の提供を行う証券会社間で差が大きくなり始めている。つまり売建て可能な銘柄数が証券会社によって差が拡大傾向にある。
二つ目の複数回可能な日計り商いの背景には、現在の取引所に通常の立会時間における取引の決済(取引日の4日目)及び信用取引の担保管理(前日の終値で評価、リアルタイムの評価替えは行っていない)のあり方が問題としてある。
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テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

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