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2017/06
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証券仲介業の位置付け
停滞感の著しい証券業界の中であって、証券仲介業(金融商品仲介業)は着実に増加している。現状に関しては昨日レポートしたが、証券仲介業とは何かについて考えてみたい。

先ず、証券仲介業の制度は以下の様に始まっている。
・2004年4月より、旧証券取引法で「証券仲介業制度」が創設される。この制度で登録を受けた者(個人も可)は、次のことが出来る。
◎有価証券の売買の勧誘し、実際の売買の取次を行うこと(媒介)。
・2004年12月より、金融機関も証券仲介業を行うことが可能となった。
・2007年9月末から金融商品取引法が施行され、それに伴い「証券仲介業」は「金融商品仲介業」へ名称が変更される。(金融商品取引法では、証券会社も第一種金融商品取引業だが、現在も証券会社という名称を利用しているので、本稿では金融商品仲介業を証券仲介業という名称を用いる。)また同法施行に伴い、証券仲介業は以下の行為も行うことが出来るようになった。
◎有価証券デリバティブの売買の勧誘し、実際の売買の取次を行うこと(媒介)。
◎有価証券の募集や売出し、または私募の取扱いを行うこと。
◎投資顧問契約と投資一任契約を紹介し薦めること。(例えば、ラップ口座やSMA口座を勧誘することなど)

この証券仲介業が成り立つ為には、利用者である投資家が金融商品の仲介を望まなければならない。つまり、投資家が証券仲介業者利用のメリットを感じなければ、このビジネスモデルは成立しないが、敢えて投資家が証券会社ではなく証券仲介業者を選ぶのは、次の様なことが考えられる。
○投資家にとって、信頼ある助言を受けることが出来る。助言内容は以下。
・投資助言
・資産全体からみた助言(マネープラン)
・ライフプランからの助言
・その他の助言行為(経営する会社の税務や財務に対するものも含む)
少し諄いが、証券仲介業者は顧客の投資家との関係が、通常の証券会社の営業部員より強いことが前提になる。逆に言うと、顧客との関係が強ければ、独立意欲のある証券会社の営業部員が証券仲介業者になっても構わない。

現在、証券会社にはFA(ファイナンシャル・アドバイザー)制度があって、営業成績によって収入が大きく変動するインセンティブが与えられているが、証券仲介業とこの制度を比較すると、仲介業者には次の様なメリットがある。
○複数の証券会社と仲介契約を締結していれば、顧客ニーズが自らの考えに沿った金融商品を選択できる。
○一社専属のFAとは異なるので、個別証券会社の営業戦略に縛られない営業活動は可能である。
○保険や銀行などの代理店業務と兼業することが可能で、金融のワンストップ・ステーションの機能を果たすことも可能である。
○顧客との関係が最重要なので、より地域密着型の営業活動を行う為に、地縁関係を利用しやすい。
なお、証券会社によっては専属の契約をする証券仲介業者をIFA(Independent Financial Advisor)と呼ぶところもある。

証券会社にとって証券仲介業を利用する事は、次の様なメリットが考えられる。
○例え個人であっても、証券仲介業者とは業務委託契約なので、雇用関係は発生しない。その為に営業員1人当たりのコストを下げることが出来る。
○店舗費用などのコストもかからないので、固定費を引き下げることが出来る。但し、販売する自社商品やサービスに対して仲介業者へのコンプライアンス上のチェックは必要になるが、これも自社営業部門へのコンプライアンス対応より軽装備で済む。
○私募ファンドや証券化商品を組成する専業の証券会社にとって、自らの拠点を作ることなく、複数の証券仲介業者と契約することで、営業ネットワークを構築することが可能となる。

 今、証券業界を取り巻く環境は厳しく、リテール証券分野もネット証券及び対面営業とも生き残りを賭けた変化が求められているが、増えつつある証券仲介業を利用することも、生き残り戦略の一つとなるだろう。


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