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2017/09
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証券税制はどう変わるのか
 政府の来年度税制大綱も公表され、証券関連の税制改正も定まったが、今までの流れから大きな変更はない。

全体としては、将来的には株式・投信も債券や預貯金も、金融所得を一体に課税(基本的な考え方は分離課税)していこうという考え方だが、先ずは商品間で出来るところからということで、株式・株式投信の譲渡益と配当・分配金の間の損益通算については昨年から、FX取引など店頭デリバティブ取引の譲渡益を総合課税から申告分離課税20%とするのは来年1月からと既に決まっている。今回の改正では、これに債券の譲渡損益と利子を損益通算に加えることの検討を来年度(平成25年度税制改正)で行うとしている。現在、債券のキャピタルゲインは非課税だが、ここも変えて、有価証券投資全体の損益通算範囲の拡大を目指すとしている。

個人投資家に関係ある分としては、もう一つ平成26年から始まる予定の日本版ISAの利便性向上・事務手続の簡素化に向けた所要の措置が決まったが、取り扱う証券会社や金融機関の事務的なことなので、本稿での記載は省略する。ちなみに、9月末時点での税制改正要望項目に入っていた“非課税投資額にかかわらず、分配金の同一銘柄への継続再投資を可能にすること”(これも相当技術的な事だと筆者は思うが)は、取り上げられなかった。

 つまり、個人にとっての証券税制では余り大きな改正が無いように思われる。但し、上記の2つの改革の前提となっているのが、株式や株式投信に対する譲渡益課税の軽減措置(税率20%→10%%)を平成25年で終了することだ。これは証券会社にとっての影響が大きいかもしれない。過去、この軽減措置は市況環境の悪化を理由に何度も延長されており、政府はこの措置の延長が無い旨を国会答弁などで明言している。証券業界としては、よもや相場の悪化を理由に再延長を予想などしていないと思うが、証券会社にとって譲渡益課税の軽減措置終了という大きな対価の割には、得るべき税制改正メリットが個人分野では少ないと思う。“貯蓄から投資へ”というキャッチ・フレーズは言い古されているかもしれないが、金融業界にとって、個人の金融資産をどう日本の資本市場に向かわせるかは生命線のようなテーマだ。

 金融一体課税は、納税番号制や税制全体の改革の問題で時間が掛かるのはしょうがないにしても、日本版ISAは、制度目的を明確にして、その為に利用しやすい制度改正要望を証券業界として上げるべき時ではないだろうか。

 ちなみに、個人投資家が今回の税制改正項目それぞれに対して、どう考えているか。(日本証券業協会“個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書”より)
【金融所得一体課税について】
・金融商品の損益通算の範囲の拡大に関する意見は、「損益通算の範囲の拡大は必要だと思う」が29.1%と、「必要ない」の9.4%を上回るものの、「わからない」が55.8%と高い。
・どのような金融商品から生じる損益との損益通算が必要と感じているかについては、「公社債の利子や取引から生じる損益」(62.6%)、 「公社債投資信託の分配金や取引から生じる損益」(62.3%)が高い割合となっており、大きく離れて「預貯金の利子」(34.9%)が続く。

【日本版ISAについて】
・利用目的としては、「老後の資金づくり」(54.1%)が最も高く、「生活費の足し」が48.1%で続く。最も重視する利用目的も「老後の資金づくり」(39.8%)、「生活費の足し」 (24.2%)が大きな利用目的となっている。
・今後拡充すべき点としては、「投資上限額(現行では、1年100 万円)の拡大」が25.3%と最も高く、「1口座あたりの非課税となる期限(現行では、10 年間)の延長」が15.2%、「ISA口座の開設可能期間(現行では、平成24 年~26 年の3年間)の延長」が10.2%と続いている。

老後は、年金と300万円(現ISA制度の投資上限額)では暮らせないと、多くの方々は思っている。

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損益通算範囲の拡大
今回の改正では、これに債券の譲渡損益と利子を損益通算に加えることの検討を来年度(平成25年度税制改正)で行うとしている。これって、株式、配当を含めて損益通算してくれないのでしょうか。これだと債券のデフォルト損失分ぐらいしか通算できないと思いますが。
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