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2017/08
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進む取引高速化と個人投資家メリット
一昨年に東証の高速化された取引システムarrowheadがスタートする少し前、東証が提供するデモを見た時は少し驚いた。株式の注文板の値動きを示す動画だったが、それまでのイメージと違って瞬時に売買注文が変化する様は新しい時代が来るであろうことを予感させていた。
 しかし、板読みするようなデイトレーダーは別にして、個人投資家にとって取引システム高速化はどの様なメリットがあるのだろうか。高速化された板の動きは、見ていて臨場感があって楽しいものだが、ミリ秒単位のアルゴリズム取引に個人が対応できる訳がない。そう思っていた。

 株式投資を行う以上、売買注文の状況を示す板情報は個人にとっても重要な情報だ。問題は、ミリ秒単位の売買に参加出来なくとも、注文の傾向やその変化の様を実感することには意味がある。
東証は、昨年12月から全ての板情報を分析するシステム“Market Impact View”のベータ版を試験的に提供していて、これは個人投資家も現在利用することが可能だ。その機能は2つあって、一つは個別銘柄の板情報のバランスを数値化してグラフ上に分布させてみることで、全体的な板状態の把握や、特異な値を示している銘柄のピックアップが可能となる機能(簡単に言うと、株価が上がりそう、下がりそうな銘柄を視覚的に探すことが可能)。もう一つは、個別銘柄の売りと買いの潜在インパクトの大きさを分析することにより、板における売買圧力の偏りなどを表示する機能(どの位の数量売買されれば、何円株価に影響するか判断することが可能)。いずれの機能も注文板の情報がリアルタイムで取り込まれ、その変化も視覚的に見ることが可能となっている。

 一方、東証の取引システムarrowheadは更なる高速化を目指す。予定では本年5月の連休明けに約900マイクロ秒(1万分の9秒)に高速化され、現在のスピードが倍以上になる。勿論、アルゴリズム取引に対応する為だが、このアルゴリズム取引の主な効果は次の二つがあると言われている。
○国内外の機関投資家などの今まで市場外で行われていた大口取引を、マーケットインパクトが少ない形で市場取引に取り込む為。
○ファンドや証券会社などによる、短期の裁定取引やマーケットメーク的な短期の鞘取りを行い易くする為。
以上の2つの効果によって、アルゴリズム取引により市場は流動性を増すとされている。結果として、個人投資家もメリットを受けるが、では2つ目の短期の売買を繰り返す者として、デイトレーダーやスイングトレーダーと言われる個人投資家もいることを思い出したい。これら個人の短期売買を繰り返す投資家の取引も、ある意味で市場の流動性に寄与しているはずだ。

取引きの高速化が、彼らのトレードにとってもメリットがあることが、個人のトレーダー層を育成し、トレーディングの多様性を守る。その事が、結果として市場機能を強化することに繋がるのではないだろうか。

☆個人投資家で短期売買するものの推計
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