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2017/10
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グリーンシート市場の失敗
まったく何をしているのか、とても悲しい思いに囚われました。19日、日経の社会面でも取り上げられた、グリーンシート銘柄に係る未公開株勧誘に証券会社が関与したという事に対してです。

 グリーンシート市場の銘柄は、上場株ではありませんが唯一証券会社が個人投資家に薦めて良い未公開株です。その為には、概ね有価証券報告書の記載内容に準じた“会社説明書”を作成し、証券会社がちゃんと調べた上で、毎日若しく一週間に1度売買気配値をだすことで個人が売買することが出来ます。但し、その銘柄を取扱うと決めた証券会社で、ということに限られています。

 問題となったのは、グリーンシート銘柄の勧誘行為を、証券会社ではない無登録の者が行い、その無登録者による販売目的の為に企業をグリーンシート市場に登録させた容疑で、証券会社の社長が逮捕されたという事の様です。証券会社自らが勧誘していれば、問題とはならなかったはずですが、それが出来なかった理由が、現在のグリーンシート市場で使われている資金調達方法にあると思います。
関係者の方々は、その募集方法を“拡大縁故募集”といっているようですが、通常のIPOの様に証券会社が引受けて投資家に販売するのではなく、(縁故を拡大して)その企業に関係ある方々に、増資に賛同して資金を出してもらう(企業自らが募集の為に投資家を証券会社に紹介する)方法です。

投資家への販売力が無い証券会社が、グリーンシート市場に企業を誘導する為に考え出した方法ですが、今回の事件の背景には、この募集方法が大きく影響しているように思われます。この募集方法は、一見取り扱う証券会社の負担が軽く、コミュニティ重視の大震災後の風潮にも合っているように見えますが、資本市場の機能としては、縁故のない他の投資家や他の証券会社にとって参加しずらい仕組みです。簡単に言えば、縁故で募集する株価が正しいのか、企業価値を反映しているのか分かり難いのです。

グリーンシート市場は1997年に始まりましたが、一時100社を超えた登録企業も今では49銘柄まで減少しています。資本市場の裾野拡大の為に必要なことは、市場関係者なら誰しも認めるところですが、同市場の銘柄を取扱う証券会社は7社のみで、個人投資家に販売力があると思われる証券会社は限られています。

結論から言えば、この市場は失敗です。(目的は正しいのですが、市場運営として失敗していると言う意味)
その原因は以下のようなことだと考えます。

○グリーンシート市場に登録する企業のメリットが少ない=企業にとって会社説明書の作成、および登録後はTDネットを使って求められるディスクロージャーでは、公認会計事務所等のプロの助力が必要です。一方、流動性が確保されている訳ではないので、一般投資家からの資金調達は困難です。
○グリーンシート市場に参加する証券会社のメリットが少ない=企業数も、企業規模も小さいので、登録銘柄の売買では収益が見込めません。但し、一旦取扱いを始めると株価の気配値を提示しなければばらないので、コストだけは掛かっていきます。従って、この市場で収益を上げようとすると登録やディスクロージャーのコンサルティングか、M&Aでのビジネスを想定しなければビジネスとして成立ちません。

○したがって、一般の投資家には馴染みもなくまたメリットを感じにくい市場となっています。

ではどうすれば良いのかと事は、現在日本証券業協会でも議論されていますが、そもそも未公開株を個人投資家がどの様に扱うか、もう少し日本の資本市場の裾野拡大の視点が必要な様に思います。ベンチャーキャピタルやベンチャ・企業への投資、プロ向け市場や地方の新興市場との関わり、その企業が成長していけば、どうIPOに結びつくのかのストーリーを投資家に示していくことが重要だと考えます。
(多分、政策支援と取り扱う業者の規制緩和・規則緩和がカギとなるのではないでしょうか)

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