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PTSの機能を今一度考える
 2月2日の東証のシステムトラブルで、日本証券業協会がPTS(Proprietary Trading System=私設取引システム)の取引を止めたと言う記事が、24日の日経に載っています。協会がシステムトラブルで売買停止の対象となった241銘柄について、協会規則にある“取引所が上場株の売買を停止した場合、取引所外での売買も停止出来る“という条項を根拠に、PTSを含む取引所外取引の停止を証券会社に要請したので、PTSまで止まったということです。PTSは、行政の認可を受けた証券会社が運営していますが、この件で改めてPTSの代替市場としての機能を考えさせられました。

日本の資本市場の中核となる取引所の方は、高速化や多様な金融商品の上場によってその機能を強化していますが、PTSはその何を代替しているのか。主に次のようなことが上げられます。

○取引所での取引時間以外での売買を執行することが可能です。
例えば、取引所が取引を開始する前、昼休みの間、そして海外市場が取引を行っている夜間などに日本株を取引きすることが可能です。但し、取引は完全な売買注文のマッチングなので、寄付きや大引けの様にオークション方式で値付けされることはありません。

○取引所での値幅以外にも、細分化された価格で取引することが可能です。
例えば、株価100円台の株式の取引所での最少値幅は1円ですが、これだと概ね株価の1%に相当します。PTSの方は、0.1円刻みのですので、投資家は売買コストを低下させることが出来ます。

○投資家は、取引所での売買株価とPTSのそれを比較して、最良の売買取引を選択することも出来ます。
例えば、東証と大証に両方上場されている銘柄などは、両取引所の取引値段を比較して、売買注文を出すということがあったかも知れません。現在のPTSでは、取引所に上場されている銘柄が殆ど取引できますが(一部、地方取引所の単独上場銘柄は取り扱われていません)、投資家が取引所とPTSの取引値段を比べて、最良の値段で取引を行うのが理想です。取引所の方もPTSの方も取引がミリ秒単位と高速化されているので、人の目で値段を追う事は無理かもしれません。それで、システムで取引所・PTSどちらが投資家の注文にとって有利なのか自動的に選択するサービスを提供している証券会社もあります。

○新たな価格発見機能の提供をしている可能性もあります。
上記に挙げたように、取引所が取引しない時間帯での取引、取引所が取引しない値幅での取引をPTSが行いますので、取引所にはない価格発見機能を提供しているとも言えます。

欧米での代替市場(名称は欧州MTS=Multilateral Trading Facilities、米国ATS=Alternative Trading Systems)が取引全体に占める割合は3~4割と言われとおり、日本ではようやく5%(1月末、5.7%)に達したところです。日本のPTSは、一時8社の証券会社で行われていましたが、昨年は撤退が相次ぎ今は3社で、その内2社に9割程度の取引が集中しています。また、PTSへの取次ぎを行える証券会社も20社程度で、個人投資家が利用できるのは10社に届きません。PTSは、取引の決済の仕組みは取引所取引と同じになっており、インフラ面では取引所取引と遜色ありませんが、ビジネスモデルとしては未だ確立期といった状況のようです。

ただし、PTSと同じ様なことが、嘗ての証券会社内のダークプールや海外の取引システムで行われていたことを思えば、国内で取引の透明性も高く、個人も参加できるPTSの代替機能には、大いに期待したいところです。

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