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2017/06
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投資家が企業に望むこと
勿論リスクを負う投資家は、そのリスクに見合った企業の成長を期待するだろうが、大切なことはその判断をし易いように企業から情報提供がされているかどうかだ。だからディスクロージャーの充実や適時開示(この言葉は、本来取引所用語だが、良いニュースも悪い出来事も素早く情報提供すること)の強化が投資家からは常に求められている。では、具体的にどの様な事に投資家が注目しているか。

 機関投資家の中核である団体である生命保険協会は、上場企業や機関投資家への調査を通じて以下の要望を取り纏めている。(以下の文節の数字は、平成23年度生命保険協会調査“株主価値向上向けた取り組みについて”より)

【経営目標の設定・公表】
8割以上の機関投資家は、企業の経営ビションを把握する為に中期経営計画の公表を求めている。これに対して、実際に公表している企業は7割強となるが、その中で最も投資家に重視されるのはROEだ。
8割以上の機関投資家が重視するROEは自己資本に対する純利益率だが、日本企業の6.0%に対して米国企業の15.1%とまだまた差は大きい。
また、最近の市況回復により今年は再び公募増資などファイナンスが増加することが予想されるが、一方では昨年上半期ベースで上場企業の内部留保額が167兆円過去最高水準(リーマンショック前の2007年の163兆円を超え)となっている。投資家としてはある程度経営計画の中に資本政策への考え方などを示すべきとしている。

【株主還元方針の公表・説明の一層の充実】
9割近い投資家が還元策の公表を求めているが、実際に配当性向や総還元性向(自社株取得も含めた指数)などの数値基準を公表しているのは3割程度の企業となる。また、9割の機関投資家の投資スタンスは配当を重視したものだ。なお、日本企業の配当性向は年々上昇する傾向にあり2010年度のそれは約30%と米国企業に等しくなっている。ただ自社株取得に関しては、約8割の投資家がもっと積極的に実施すべきとしている。

【コーポレート・ガバナンスの充実】
先ず企業も投資家も、大多数が対話の充実を上げているが、問題はどの様な方法で行うかだ。投資家側は、経営方針が分かるような開示や説明会の開催など求めるのが中心だが、企業側は多様なIR方法などによって充実しようとしており、少し双方の方向性が合っていないかもしれない。投資家が求める内容としては、その他には危機管理(法令違反・情報漏えい・自然災害対応など)や株式総会での議決権行使の利便性向上などを上げている。

 個人投資家に関しては、野村インベスター・リレーションズが昨年11月に公表した個人投資家モニターアンケート調査があるが、それによると企業に期待するIR情報は、業績見通しが最も多く、全体の72.5%が求めているが、以下は次の様になっている。
・配当政策    ・・・44.0%
・強み、競争優位性・・・42.8%
・事業内容    ・・・・38.7%
・株主優待情報   ・・・38.7%

機関投資家も個人も、自らがその企業の成長力を理解する為の事業戦略と利益還元策に関する経営トップの考え方を重要視している。
少し私見を述べるなら、経営者が市場を通して株主や投資家にどう向き合うか求められており、その為に自社の株価水準をどの様に考え、資本政策に関する考え方をある程度示すこともまた必要だろう。

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