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2017/08
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信用取引の基本的な問題とその代替策について
株式の信用取引を簡単に説明すると、証券会社が投資家に株式を購入するお金を貸すか、売る株式を貸すかで、何らかの信用を投資家に供与することになる。その為、担保となる保証金が必要で、その金額は金融商品取引法では最低30万円が必要と定められている。また、必要とする保証金額は供与する信用枠の30%と定められているので、30万円の保証金だと100万円分の信用取引をすることが可能だ。なお、保証金代わりに流動性のある有価証券を代用することも可能で、こちらの方は信用を供与する証券会社が時価の80%以下の掛け目で保証金として見做す。
何故、投資家にとっては分かり切ったことを書いたかというと、今一度、現行の信用取引制度の問題点についてなるべく平易に考えてみたいからだ。代替手段がある場合は、その点も触れたい。

【検討点1=信用取引は30万円から始められるか】
この答えは少し難しい。信用取引は、証券会社が投資家に対して信用を供与する仕組みなので、それに足る相応の金融資産を有するものと証券会社自身が判断できなければならない。昔の信用取引は、最低でも1千~2千万円の預かり資産が必要だったが、投資家が信用取引を決済する場合、反対売買以外に借りたお金や株式を投資家が別途調達して証券会社に返すことも可能だ。信用供与する側から見れば、もしも投資家が損失を被った時の事を想定するので、追加の保証金が出せるか、現引きや現渡しが可能か、ある程度の金融資産があると判断されなければ信用取引は行えなかった。

しかし、ネット取引が一般化することで、原則預かった範囲の保証金内に損失が収まるよう強制的にロスカット取引を行うことを前提に、資産家でなくとも信用取引を行うことが出来るようになった。ネット証券が信用を供与する場合に考える投資家の相応の金融資産とは、現状では3~500万円相当だろうか。それも他社の金融資産を含めてという事だから、預貯金を含めると多くの投資家が信用取引適格者としてクリアする。だから、証券会社の判断によっては30万円から信用取引を始めることが出来る。ただし、投資家によっては、信用取引の仕組みである追加保証金(マージンコール)や現引き・現渡しなどを全く想定していない場合もある。

【検討点2=保証金もしくはその代用とする有価証券は効率良く使えるか】
現行の信用取引は投資家によるデイトレードを想定したものではない。個人投資家が行うデイトレードの善し悪しは別にして、アルゴリズム取引やマーケットメーカーの取引と同様にある種の流動性向上には寄与しているだろう。そのデイトレーダーが信用取引を利用する場合、同じ保証金による信用枠の利用は日に原則1回転となる。このルールの中心となる考え方は、当日中に売買したものの決済が終わっていないからだ(取引所ルール)。しかし、取引も決済も電子化された現在、このルールは少し古いように思う。確かに決済は4日目で終了していないが、保証金も売買した株式も証券会社にある投資家の口座内のあるのだから、同じ保証金を利用して何回も売買が可能となる仕組みに変えるべきだ。

今は、信用取引の保証金も代用となる有価証券の評価も前日の終値を使って1日1回行う証券会社の仕組みだが、これをリアルタイムで行えば、日に何度でも同じ保証金を利用して売買を重ねることが出来る。その為には取引所ルールの改正と、証券会社側のリアルタイムな投資家ポジションの管理が必要になってくる。

この問題に対しては、ネット証券A社が取引所の立会外取引を利用してデイトレーダー用に取引回数の制限ない取引を試みているが、同社間顧客の売買注文のマッチングになるので取引量や銘柄が限られている。また、信用取引と同様のレバレッジ取引効果がある個別株CFDについては、FX取引と同様にリアルタイム決済なので、日に何度売買して保証金(CFDの場合は、証拠金)を有効に利用することか可能だ。しかし、信用取引が収益の中心であるネット大手証券は、信用取引と競合するのでこれを取り扱わないし、FX取引の様にオファー・ビットをヒットする取引きする方法なので、寄付きや引けの様な通常の株式売買手法が使えない。

【補足検討=値付けが取引所より細分化されたり、夜間取引が可能なPTS(私設取引システム)では、信用取引は使えないか】
信用取引は、流通市場の中核である取引所取引を活性化させる目的で仮需用をつくる制度という位置付けなので、現行の法規制ではPTSでは利用できない。しかし、最近個別株CFD取引サービスを提供するネット証券B社が、東証の売買価格情報を止め、C社のPTSの価格情報で売買させる方法に替えた。
この事の意味を考えてみると、個別株CFDで投資家がヒットしたPTSの株価は、C社を通じてカバー業者(外国証券会社)がPTSで売買することを前提にしている。CFD取引は、店頭デリバティブなのでカバー業者が必ずしもPTSでの売買を取り次がなくともいいが、投資家からみると信用取引と同様のレバレッジ取引効果がある個別株CFD取引で、PTSでの取引に参加していることになる。
但し、現状では個別株CFD取引は、デイトレーダー間に定着しているかというと、まだまた遠い道程だ。

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