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2017/10
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投資家目線からみた平成24年度金融取引法改正
3月9日に国会に提出された金融商品取引法の改正案の内容について、出来るだけ投資家目線にたってその意味などを簡単に考えてみたい。

先ず、株式取引と関係する部分からみると、虚偽記載やインサイダー取引など不正行為を行う者に対する罰則=課徴金制度が強化される。
オリンパスでの巨額損失隠しでは、元証券会社社員の積極的な関与が取沙汰されたが、虚偽記載の外部の協力者は現行では共犯者として刑事罰の対象となるものの、罰金となる課徴金の対象ではない。改正法ではこれを改めて、有価証券報告書などで不正スキームの提供やその一部でも取引実行した外部の協力者は、課徴金の対象となる。また、これに合わせて課徴金の調査において対象者が調査に応じない場合を想定して、当局に出頭命令権限が追加される。
 またインサイダー取引などの不公正取引で、取引先や知人などから報酬を約束されて売買した場合、現行ではグループ内企業や家族でなければ課徴金の対象とはならないが、このことも改めて課徴金の対象とする。(自身の取引は勿論課徴金の対象)

 一方、同じインサイダー取引規制のうち、M&Aなどの実務上障害となっていることに関して、その適用から除外する。
一つは、事業譲渡の際、譲渡資産の中に株式(上場する当事会社や関係企業のもの)が含まれた場合、現行では自ら事業譲渡という重要事実に関与しているので、インサイダー取引の対象となり、この様な組織再編時の対応に支障がでている。
もう一つは、相手企業を吸収合併する場合、買収対価として存続側の企業の株式を相手企業株主に合併対価として渡す事が出来るが、金庫株として保有する自社株を渡す場合は現行法だと自社株の売却になるので使えない。(新株を発行する場合は、売買ではないのでOK)
この2つは、現行のインサイダー取引規制だと、例え有利なインサイダー情報をもって売買をするつもりはなくとも形式的に該当してしまう。せっかく会社法では可能なことが、この規制で事実上利用出来なかった。その為、この2つのケースをインサイダー取引規制の適用除外とする。

以上のことは、法案の成立から1年以内に施行を予定している。

 その他に“総合的な取引所”の実現に向けた制度整備が行われる。これは、政府が定めた新成長戦略にあるので制度整備されるようだが、投資家からみるとその必要性は少し分かり難い。商品先物への投資は、その指数を使ったデリバティブやETFなど、個人投資家レベルでも容易に売買できるようになっているが、国内の商品先物取引所へのテコ入れと考えれば分かり易いかも知れない。その為には、以下の事が整備される。
・総合的な取引所においては、金融庁が一元的に監督。これにより行政サイド(金融商品=金融庁、工業品先物=経済産業省、農産物先物=農林水産省)の規制・監督の非効率を解消
・将来の清算機関統一を睨んで整備=投資家にとっても、取引の増加に耐えられるよう清算機関の規模を大きく、機能を拡充する必要がある。
・総合的な取引所においては、直接取引参加する業者は余り変化ないようだ。証券会社が商品先物などに直接取引参加できるようになるが、商品先物業者の方は現行の商品先物に限られる。なお、商品先物には現行と同様に、商社や事業者の直接の取引参加が認められる。
・なお、投資家保護や行為規制などは既に相当部分で金融商品取引法と商品先物取引法が同一ルール化しているが、不公正取引については金商法と同様に厳格化する予定。
この分は、法案成立から1年半以内に施行される。

最後に、円金利スワップやCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)で定型化された取引は、電子取引システムの使用を義務付けるが、これはリーマンショックの原因となったCDS取引などの大規模なデリバティブ取引を各国当局が補足する目的でG20において合意されたものだ。但し、グローバルな取引把握が必要なので、施行は各国の取組みを勘案する必要がある為、法案成立から3年以内となっている。
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