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2017/09
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空売り規制について~その情報のあり方
空売り規制は一般的には少し分かり難いかもしれない。

もともとは相場操縦的な行為を防ぐ目的で、株式がないのに下落させることを目的に売ることを禁じたものだ(金融商品取引法162条)。危機や何かのパニックの時、取りあえず売っておいて株式を後で調達するような行為を防止する為だった。
旧来のルールは株式を借りて売る信用取引などは対象外だったが、前世紀末の日本に金融危機の時に、このルールは強化されて、株券を借りて売った場合は注文を受けた証券会社を通じて取引所に報告することや、直前の価格から下での売り下がりを禁じた(個人の信用取引のうち50単位以下の取引は除かれる)。

 また、今世紀の米国発の金融危機では、各国で金融株の空売りを一時的に禁止したし、直近の欧州債務危機においても、一部の欧州諸国では自国の銀行株の空売りを一時的に禁止する措置をとった。
 逆に言えば、株券を借りて行う空売りについては、流動性の向上や価格形成の為に良いとされているのが業界の認識となっている。但し、現在の日本市場における空売り(信用取引や他者から株式を借りて行う)について、以下の様な情報のバラツキの問題があるのではないかと考える。

・証券会社が信用取引を取り次いだ場合、取引所に報告しなければならないが、取引所が銘柄毎に週末の状況を集計して翌週の火曜日に公表している。これを証券各社は信用取組みとして投資家に提供しているが、売り残高が信用取引を利用した空売りとなる。ただし、この信用取引における空売りは主に個人投資家が利用しているが、個人取引の取引全体に占める割合は2割程度なので、市場全体の空売りを示している訳ではない。

・証券会社では保有する株式や他の金融機関から借りた株式を、顧客の信用取引での売りに提供したり、更に別の証券会社や金融機関に貸すことがある。この数値は国内の証券会社であれば、証券業協会に週末の状況を報告しなければならず、協会は翌週の木曜日に銘柄別の貸借残高を公表している。この数字は、必ずしも全て空売りに利用している訳ではないが、リスクのある株を借りるのは概ね金融機関などの売りの為とも考えて良い。但し、国内の証券会社や金融機関などの売買は市場全体の3割程度となるので、この数字も空売り全体の数字ではない。

・空売りの数値の全体像を把握することは困難だ。例えば、海外のファンドが他の海外投資家から借りて空売りした部分は、当事者以外正確には分からない。
リーマンショック以降、大口の空売りを把握しようと、その企業の発行済みの0.25%以上を空売りした場合は、海外の投資家であっても注文を受けた証券会社を通じて取引所に報告しなければならないルールとなっている。取引所はこの報告書を毎日公衆縦覧しているが、空売り状況を知りたい投資家にとってはハッキリいって使いにくい。取引の日付はバラつきがあり、かつ銘柄ことに集計されていないで、例えば同じ運用会社であっても複数のファンドは複数の報告書を提出する。

現在、このルールの恒久化を含めて金融庁で見直しが行われるところだか、今や海外投資家は市場での取引の半数を占めるのだから、個人や他の国内投資家にとって使いやすい空売り情報として改善されるよう期待したい。

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