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2017/11
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市場の裾野拡大の為に~グリーンシート市場の場合
グリーンシート市場は一般の投資家に馴染みがない。1997年に制度が開始された時は、成長期待のある未公開株や地方企業の株式を証券会社の店頭でも売買できる仕組みとして期待されていた。しかし、一般の投資家が知らないのは、取り扱う証券会社が少ないためだ。

 この制度は、日本証券業協会が定める自主ルールによるが、現在協会においてこの見直しの議論が行われている。何故、証券会社が取扱わないかは、経済的メリットが少ないことに加え、取り扱う為の手間がかかるからだ。その為、通常の株式市場のような流通の場とは明らかに異なるし、取り扱う証券会社数が少ないということは、取引に参加する投資家が少ないということであり、この市場に参加した企業の資金調達にも余り役立っていない。
 ただし、協会規則では一般の投資家に流通することを前提としているので、有価証券報告書の記載内容に準じたものを発行会社が作成しなければならない。その為、参加する企業は公認会計士の監査を受ける必要があり相応のコストが掛かっている。

以上の様な問題点が協会での議論で指摘されているが、簡単に言い切るならこの市場は手間とコストが掛かる割に、企業も証券会社もメリットが少ないということになり、制度としては失敗だったのではないかというのが結論のようだ。

ではグリーンシート市場の様な未公開株の流通市場が不要かというと、次の様なケースでは日本の資本市場全体の裾野拡大に役立つだろうという事も関係者間で認識されている。

①ベンチャー企業が新興市場に上場(IPO)を目指す前に、リスクマネーを調達したり、当該株式を売買したりする市場はあった方が良い。
②未公開の地方有力企業(例えば、地方鉄道やバズ会社、地域の放送局など)の株式を売買したいとのニーズには証券会社として対応すべきではないか。

現在のグリーンシートの制度は、証券会社が参加銘柄を勧誘しても良いことを前提とし、開示制度や売買ルールが決められているが、一部の企業のファイナンス時を除き、殆ど証券会社が売買を勧誘することはないようだ。であるなら、ディスクロージャーも簡素化し、売買ルールも①と②の様なケースで投資対象者を分けて整備しなおした方が良いのではないだろうか。

①については、プロ向け市場との関係も整理した方が良いと考えるが、個人投資家がベンチャー企業投資を積極化する必要が本当にあるのだろうか。例えば、通商産業省がエンジェル税制対象企業リストを公開しているが、これらの企業に個人が投資する場合を想定してインフラを整備した方が、個人のリスクマネーを新興企業のファンナンスに繋げるということ目的に沿っている。この場合の証券会社の取扱いルールを簡素化するべきだ。

②については、個人株主の売却ニーズや交通機関なの株主優待券狙いの購入ニーズがあるようだが、証券会社が関与する場合の役割を明確にして、その役割に沿った取扱いルールで良いのではないだろうか。例えば、単純に売買の決済を行うだけの場合と、買い手・売り手を探す場合などでは証券会社の負担(逆に言えば収益)が異なるのでルールは違っても良いだろう。なお、取り扱う企業は地元における一定規模以上の企業なのだから、財務データの開示は当然として、過去の取引価格や株価算定情報は必要だと考える。

いずれにしても、証券会社が未公開株式をちゃんと取り扱うということが必要だと思う。その事が、結果として未公開株詐欺などを防いでいくことにも繋がっていく。

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