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2017/11
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投資銀行ビジネスモデルは何処へいくのか
金融危機までは投資銀行(代表的なものはゴールドマン・ザックス)は、日本の金融業界にとって憧れの的であり目指すべきものでもあった。大手証券も外資系証券を横目でみながら機能整備をしていったし、金融機関の中には投資銀行宣言をするところまであった。別に大手金融機関を揶揄する為に書いたのではなく、それは各々の戦略として正しかったと思う。しかし、今世紀に入ってからの投資銀行は、それまでの投資銀行モデルとは少し実態が異なっていた。

 投資銀行とは何かということを、ウィキペディアでは次の様に記載している。

【投資銀行(investment bank)とは、顧客企業の有価証券発行による資本市場からの資金調達をサポートし、合併や買収などの財務戦略でのアドバイスを行う金融機関である。】
つまり企業のファイナンスやM&Aのビジネスを行うことが投資銀行の中核であることは、今も昔も変わらない。
ただし、ここ10年来は次の事が加わっていた。

①証券化(不動産やローンなど実体経済に関わりの深いものを、証券化して市場で流通しやすくする。若しくは市場からのファイナンスを行う。)
②自己投資(自ら纏まった案件などに出資するのだが、さすがに他の投資家を擁する営業部門との利益相反を考えて、子会社した。)
③ファンドとの関係強化(プライマリー・ブローカーレッジビジネスなど、ファンドに対するサービス強化(売買・決済機能の提供)でヘッジファンドなどへの与信行為も含まれる。)
④それぞれ異なるニーズを、両者の問題解決を計ろうと仕組む行為。証券化やデリバティブ活用など所謂金融工学を利用することもあるし、M&Aやファンドを活用する場合もある。

これらのことは、今でも投資銀行にとって重要だ。いや、経済全体に対しても大切な機能を果たしている。
日本の金融機関に関しては、②の自己投資こそ相応の規模で行ったが、それ以外は欧米の投資銀行に比べ完全に周回遅れだった。それで、欧米の主要な投資銀行のキャッチ・アップを行おうとしていた。

 金融危機の引き金を引いたのは米国のサブプライム・ローンだが、主犯格は信用リスクのデリバティブ(CDS)を証券化した合成証券CDOだ。しかし、背景にあるのは上記の4つの機能をバブル的にやり過ぎたことがあるのではないだろうか。それ故、欧米の金融規制改革法案(米ドットフランク法など)では上記の4つの機能に関する規制や報告体制を強化する方向で、現在法案の成立から実行段階に移るところだ。

 日本もG20の合意としてこの欧米の金融規制改革の流れに沿うことが求められるが、本来ならこの機会に遅れていた上記の4つの機能を強化することを先行するべきだろう。その意味では、評判は悪いが野村のやろうとしている投資銀行強化は、グローバルな金融機関として生き残る為には正しいと考える。
但し、評判の悪さは事業モデルとして投資銀行部門の収益構造を説明できていない事と、投資銀行にありがちな投資家との利益相反に対する対応が、少なくとも外部(顧客)から分かり難いことだろう。特に顧客との利益相反は投資銀行全ての問題だが、増資インサイダー問題なども情報管理だけではなく顧客との利益相反問題として見直す必要があるのではないだろうか。

そうでなければ伝統的投資銀行業務であるファイナンスも失うことになる。

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ジャンル : ビジネス

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