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2017/08
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資本市場からみたクラウドファンディング
最近テレビ(TV東京)でもとり上げられたクラウドファンディグは、ちょっとした事業やプロジェクトの資金調達を行う方法として注目されている。ネットで事業内容を示し、賛同する人たちから資金を集めるが、資金の性格は寄附又はファンド(匿名組合)の出資金・若しくはその組み合わせとなっているので、一人当たりの出すお金は概ね数万円程度に留まる。寄附形式の場合は事業での成果物(例えば、スマフォのアプリやプロジェクトの記念品など)がお金の出し手に渡される場合が多いので、コミニティ・ビジネスへの参加・協力といったイメージが強い。また、出資金を集める場合は、事業ファンド(匿名組合方式)の出資分となり、事業立ち上げ後の一定期間後に、利益等の配分を約束するものある。こちらの方は、大震災で被災された地域企業の再建資金や、ベンチャービジネスの立ち上げ資金などの資金集めに利用されている。
どちらも、インターネット上で事業やプロジェクトの情報を流し、広く賛同者を募って資金を集めるということになるが、企業の株式や債券の募集でないので直接的には金融商品取引法の対象外だ。つまり、現在のところ資本市場との関わりあいはない。

では、これらのクラウドファンディングを業として行う場合はどうなのか。

ネット上では、既にクラウドファンディング用の複数のサイトが立ち上がっていて、これら小規模な事業やプロジェクトの資金集めを仲介しているが、寄附集めの仲介に留まる限り、現在の金融規制とは関係ない。但し、ファンドの出資分のファイナンスを仲介しようとすると、一般の投資家からファンド募集を行う第二種金融商品取引業に該当すると考えるのが順当だ。

 スマートフォンの普及により、インターネット利用層が拡大し、SNSなどでコミュニティを利用して情報を拡散・共有していく仕組みが出来つつある現状を考えると、それがベンチャー企業のファイナンスに利用されても良いのかも知れない。例えば、クラウドファンディングで一定規模の出資者を集めたベンチャー企業に対して、ベンチャーファンドが出資する基準を持てば、クラウドファンディングと資本市場の距離は近づく。また、ベンチャー企業に対する直接の出資(事業ファンドの出資金ではなく、株式への投資)は、エンジェル税制があるものの個人投資家にとっては難しいとされてきたが、クラウドファンディング的手法で、事業内容が公開され、それに対する評価情報などが得れれば、ベンチャー企業投資は分かり易くなる。

 このクラウドファンディングが注目されたもう一つの理由としては、4月に米国で成立したJumpstart Our Business Startups Act(JOBS Act)に、“クラウドファンディング条項”があったことだ。同法の目的は、新興企業の資金調達に関する規制を緩和するとともに、すべての企業を対象に株式公開の方法や時期について柔軟性を高めることとされているが、一般投資家からの募集行為に対してはSECへの届出などが厳格な米国では、新興企業のファイナンスに対して大きな変化をもたらす可能性がある。
特に“クラウドファンディング条項”では、1年内に100万ドルまでの資金調達ならSECの登録義務が免除される。ただし、個人への販売は投資上限額が制限されたり、一定額以上の収入・資産規模が求められる。

 なお、日本の金融商品取引法では、一般投資家からファイナンス(株式又は社債)の募集を行う場合、有価証券届出書が必要だが、募集する金額が1億円以内なら記載内容が簡易な有価証券通知書、さらに1000万円以下ならその通知書も不要となっている。クラウドファンディング的な新興企業のファイナンスは、制度的には今でも可能だが、問題はそのファイナンスを投資家に仲介する証券会社(第一種金融商品取引業)の業規制(自主規制も含む)の方が厳格となっているので、新興企業の小規模公募ファイナンスに資本市場が関与するのが難しい。
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