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2017/10
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投資家のニーズ=需要予測について
 金融商品を短期間で販売する為に投資家のニーズを推計することを、業界用語で需要予測と言います。
例えば、今回のフェースブックの場合、これだけ話題の銘柄ですから証券会社や金融機関でなくとも多くの需要があることは分かります。しかし、フェースブックであっても本当に投資家が買うか如何かは、公開価格が決まってからでないと分かりません。
当然のことですが、多くのフェースブックほど有名でない株式や債券、それに投信などの金融商品は一体いくら売れるのか、この金額を決めなければ株式や債券は発行できませんので、販売を引き受ける証券会社などが投資家のニーズを推計します。

 実際に投資家に聞くのが最もベストな方法で、社債の発行などはこの方法が取られています。例えば、発行額・年限・発行者名・格付けなどを示し、金利水準は1~1.2%で購入を希望するかどうかといったことを機関投資家などにヒアリングします。

投信の新規設定の際に行われる需要予測は、投資家が不特定多数の個人となるのでもう少し大雑把なものです。運用会社が、販売する証券や金融の投信担当者から、投資対象やスキームなどの希望を受け新規設定するケースが日本の投信では多いようです。

 一方、上場企業の株式の販売=公募増資や売出し、新株予約権付社債(CB)などは、発行そのものの情報がインサイダー情報となる為、公表前に投資家に聞いてみるということは原則として出来ません。
 では新株などを引き受ける主幹事証券は、何を根拠に需要予測するかというのが問題となりますが、市況環境やその銘柄の市場での出来高、希薄化の程度、自社内における公募株などの販売実績などを考慮して、引受額を判断しているはずです。

今、問題となっている増資インサイダーにおいて、主幹事証券内での情報管理が問題になっていますが、これは本来ファイナンス情報にタッチしないはずの営業部門まで、投資家需要を探るような動きの中で起きた事ではないでしょうか。何故かということを考えると、公募増資自体は件数が減っていますし、個人営業部門などは、普段投信や外債販売に注力していて、株式を取り扱い慣れていなことも上げられます。
日常の株式取引は、大きくネット証券に移っていますが、逆にネット証券の方は引受機能があまり整備されていませんし(IPOの新株のごく一部を販売することはありますが)、需要予測を行う部門もありません。
 つまり、上場企業のエクイティファイナンスを引き受けるという証券会社にとって重要な機能の中で、新株の需要予測する能力が低下しているのではないかということが懸念されます。

増資インサイダー問題について、勿論、主幹事証券内における情報管理を徹底するのは当然です。しかし、現在はインサイダー取引の罰則の対象となっていない情報伝達行為をその処罰の対象としても、問題の背景にある需要予測機能の低下は補えません。

 その需要予測機能を強化していくのは、それぞれの証券会社の役割になりますが、敢えて改革すべきことを上げれば次の様なことがあるのではないでしょうか。
○ネット機能を活用して、投資家への需要調査を容易にする工夫
○他社の販売力を活用して、シンジケーションを行う機能を強化

証券会社の引受を行う仕組みそのものが古くなっているのではと思われますが、ファイナンスが資本市場の大切な機能ですので、適正な競争が行われ為に参入障壁を低くしたり、反対に共同で引受けを行い易いようなシンジケーションの工夫が必要な時ではないでしょうか。

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ジャンル : ビジネス

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