*All archives* |  *Admin*

2017/09
<<  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30  >>
株主総会シーズンを控え、先ず見るべきことは・・・
 鬱陶しい梅雨空と、2度目のギリシャ選挙待ちの市場の重苦しい雰囲気の中で、今年もまた株主総会(3月決算期で、上場会社の約75%、社数で約2600社)シーズンがやってきます。昨年からのオリンパスや大王製紙の問題もあり、コーポレートガバナンス強化が各処で言われていますが、投資家として株主総会で見るべき視点ということを考えた時、上場会社の約半数しか採用していない社外取締役制度の是非や、社外取締役・社外監査役の独立性を問う事は、喫緊の株主総会テーマではないように思われます。
勿論、世界中の投資家から安心して投資してもらう為には、コーポレートガバナンス強化は必須で、米国に負けない世界最高水準のコーポレートガバナンスを目指すべきだとは思います。しかし、これらは会社法の問題や取引所ルールで対応すべきと考えますので、個別企業の基本的な施策が明確になる株主総会テーマとしては、重要度は落ちるのではないでしょうか。

同じように、役員報酬(1億円以上)の個別開示問題も、一時のマスコミの話題にはなりますが、元々報酬水準が欧米の経営者の5~10分の1と言われる中で、投資家・株主としてみるべき優先度は高いとは思えません。

 投資家という視点で、株主総会における各上場会社の議案を見るなら、当然利益配当の還元ということが最重要視されるべきでしょうが、(社)生命保険協会が毎年実施している機関投資家向けアンケート調査(平成23年度は153社対象)では、53.2%の投資家が配当性向を重視しています。この比率は、前年に比べ2割以上増加していますが、これに自己株式取得金額を加えた総還元性向(分母は当期利益)を重視する投資家も35.4%と増加傾向を強めています。

 現在、上場企業の手元流動性資金は60兆円超えて史上最高額に達していると言われていますが、平成23年度に実施された上場企業の自社株取得は約1.5兆円に留まります。この数値は、平成22年度(9,951億円)に比べると5割以上増加していますが、平成19年(年間ベース)の約4.4兆円、平成20年の約4兆円に遠く及びません。
株主総会に向け、株主や投資家から先ず注目されるべきは、この自社株取得枠の設定や増加でしょうし、出来れば配当と自社株取得を合わせて利益の何割を還元していくといった目標の設定(総還元性向)が望まれます。

 一方、利益還元策以外に投資家が株主総会において望むものは企業の成長戦略ですが、これは主に中期経営計画などによる説明が求められています。先ずは中期経営計画などで、経営ビジョンと計画を投資家に示して欲しいというニーズは、先の生保協会の調査では機関投資家の9割以上がもっていますが、実際の公表は72%(前年度66%)に留まります。
また、少なくとも企業価値を減じる施策は排除されるべきですが、株主にとって判断が難しいのは買収防衛策です。現在も、約500社が導入していますが、個々の企業によって株主構成も成長戦略も異なるので、その判断は各社の株主が、企業価値を守ったり向上させたりする効果があるか判断することに委ねられています。但し、安定株主もおらず、成長産業でもなく、経営計画も公表していないというのでは、株主はその判断に窮します。
 
株主総会を控え、株主にとって先ず重要なことは、大きな意味での利益還元策、さらにそれを含んだ資本政策がどういった方向性を持っていくかという事なので、企業にはこの資本政策が分かり易いディククロージャーを行うことに期待しています。
スポンサーサイト

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

Secret
(非公開コメント受付中)

最新記事
カテゴリ
最新コメント
プロフィール

ポーラスター

Author:ポーラスター
2009年1月スタート

最新トラックバック
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
RSSリンクの表示
参考文献
QRコード
QRコード