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2017/10
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ファイナンスの季節を迎えるにあたって
 3月期決算会社の株主総会開催がピークを迎えつつあるが、総会終了後に前年度の有価証券報告書が提出され、それを元に公募増資や売出し、IPOなどのファイナンス準備に入るというパターンがある。その為、取締役会決議が7~8月に集中(もう一つのピークは、12月~1月)しがちで、ファイナンスの季節到来となる。

リーマンショック後の市場回復期にあっては、公募増資だけで2009年に年間約5兆円、今増資インサイダーで問題になっている2010年には約3.3兆円の新株が市場に供給されたが、震災のあった昨年は流石に0.9兆円と大きく減少した。

今年も、その季節を迎えつつあるが、日経平均が8000円台で低迷している現状では、ファイナンスよりは自己株取得の方を期待する投資家が多い。しかし現在市場で観測されている大型のファイナンス案件としては、震災復興財源確保の為の政府保有JT株の売出しで約5,000億円(別途JTによる自社株取得分で2,500億円)、日航の再上場で企業再生機構が売り出す分が約5,000億円程度、2社で既に1兆円を超えそうで、これにイオンなどの大型REIT上場案件が加われば、再び市場の需給悪化が懸念される。勿論、市場の資金調達機能は重要なのだが、個人を含め多くの投資家のポートフォリオが痛んでいるような状況では、新規のリスクマネーを呼び込む為に新しい取組みがなされても良いように思う。
 
例えば、日航の再上場についてだが、2010年1月の法的整理から僅か2年半での再上場となり、これはこれで喜ばしことなのだが、経営破たん時の株主は38万人もいた。その株主の多くは個人投資家で、優待券目当ての保有も多かったはずだが、株式は100%減資で紙屑となった。日航の破綻に対して、株主責任をとった訳だが、短期間での再上場に何か割り切れぬ想いともつ個人投資家も多いことだろう。

今度の再上場に当たり、この旧株主の個人投資家が優先的に新株を取得できる仕組みを検討されては如何だろうか。

会社法上の権利とか、金融商品取引法上及び公募株の販売ルールとか、余り難しく考えなくとも、新株を販売する引受証券会社サイドでの対応と、旧株主や投資家への周知で、実質的に旧株主中心に新株の募集を行うことは不可能ではない。旧株主優先募入とでもいうのだろうか。但し、引受証券サイドの窓口での事務作業は増えそうなので、その分は発行者や売出し人からしっかりコストを徴求すれば良い。

 少し細かい話になるが、新株を募集する際の手数料についても、もう少し投資家や株主サイドのたった工夫がされても良いだろう。今の新株販売の仕組みは、実質的に投資家が新株を販売する証券会社に対して手数料を支払っている。例えば以下になっている。
・募集価格400円(投資家が証券会社に新株の代金として払い込む金額)
・発行価額380円(この分が、証券会社から発行会社若しくは売出人に払い込まれる)
つまり2つの金額の差額が、証券会社に手数料分として残ることになるが、新株の販売手数料を投資家自らが支払っていることになる。新株の販売に対する報酬として考えるなら、本来は発行会社が支払うべきだろうが、新興企業などで新株発行の費用(販売の為の手数料もこの中に入る)計上を押える手法として用いられるようになった。

JTも日航も大企業なのだから、この費用は投資家が負担するのではなく、企業や売出人(国や企業再生機構)が負担するようにされては如何だろうか。市況環境が悪い中でのファイナンスには、株主や投資家に対してそれなりの配慮をした工夫をすべきと考える。

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