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2017/08
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投資信託の制度は、どう変わるのか
金融審議会で行われていた投資信託制度の見直しについて、7月初めに中間論点整理が公表された。
国内の投資信託制度がどう変わりそうかといった点については、次の2点に集約される。

【投資信託同士の併合や投資対象の変更を容易にする】
実務上の其々の項目は、
・書面決議を要する約款変更範囲の見直し
・書面決議を要する併合手続きの見直し
・受益者要件の撤廃
・反対受益者の受益権買取請求制度の見直し
となっている。(詳細内容は、同公表文をご覧下さい)

この事の背景を少し説明すると、国内の投資信託は販売会社が投資家に働きかけやすいよう、市場の動向に応じた新しいテーマに基づくファンドを次々に設定してきた為、ファンド数が多く、運用規模の小さいものが増加している。最近の状況をみてみると、投資信託協会公表データで6月末の株式投信は、
・運用資産残高 47兆8612億円 ファンド数4,127本 
となっているが、この中で運用資産が25億円未満のものが3分の2を占める。野村総研によると、1ファンドの年間平均的コストは約4千万円だというが、運用資産が小さいと運用者が赤字となっている可能性もあり、そのコストがファンドの運用利回りにも影響する。
また、外国投信が直接販売されたり、国内投信に組み込まれたりしているが、次の様な現状も指摘されている。
・現在国内で普及している投信管理システムでは円建ての投信しか扱えず、外貨建ての投信を組成する場合は外国籍にならざるを得ない。
・投信の基準価格を毎営業日ごとに計算する必要があるが、海外ファンドは必ずしもそうでない。こうしたファンドを組み込む投信は外国投信の形態をとらざるを得ない。
・国内よりファンド運営に関係する専門業者が普及しており、ファンド組成が短期間で出来る。
国民の金融資産の受け皿、リスクマネーの供給元として、国内の投信運用機能の充実が求められているが、数多くある小規模ファンドの併合を進めるところから始めるようだ。

【個人投資家を念頭にした解りやすい情報の提供】
○運用報告書を解りやすくする為、目論見書のように要点部分を簡略化する2段階化、運用報告書記載事項の見直し・有価証券届出書や有価証券報告書との重複部分に関する内容の圧縮などが検討される。
○高分配型投信の元本毀損の問題が指摘されるが、資産運用での一定の役割も指摘されている。その為、個人投資家がトータルリターン把握を把握しやすいような定期的通知制度の導入が検討される。
○個人投資家が実際に負担しているコストが、運用会社・販売会社・受託会社にどう配分されるか、販売手数料・信託報酬等に関する説明の充実を検討する。
○個人投資家に対して販売時のリスク説明を単に行うだけではなく、そのリスク等を理解しやすいような情報提供の充実が検討される。例えば、収益額の過去5年の平均値からの変動率など。
○運用資産の内容について、現在も府令・協会規則では投資対象に一定の制限があるが、ファンドの複雑化を念頭に規制を深めるか如何か検討される。(この部分は、筆者もあまり方向性を理解できない)

上記の2点に関して、年内に予定されている最終報告に向け具体的緩和・規制策が検討されるということだが、今後個人金融資産の世代間の移転が投信などを通じて行われるべきとの考えも示されており、現状の個人資産運用の手段から、個人資産形成の手段に重点が移っていくことも期待されている。
その為、投信の販売者としては、積立型の投信投資のサービス提供の充実が必須だが、確定拠出型年金の対象拡大や本格的ISA(個人貯蓄非課税口座)などの導入といった政策拡充が待たれる。

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