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2017/06
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総合取引所とCFD取引
 総合取引所構想は、数少ない金融分野での日本の成長戦略だ。2010年6月に閣議決定された新成長戦略では、“新金融立国”に向けた施策として、2013年度まで証券・金融、商品の各取引所間の垣根を取り払い、全てを横断的に一括して取り扱うことのできる総合取引所的な取引所創設を、可能な限り早期に図るとしている。

この国家戦略に沿って、先ず東証による大証へのTOB(公開買付)が現在行われている。両取引所による合意では、年明けには経営統合され、上場は維持されたまま日本取引所グループ(仮称)として総合取引所を目指すことになる。具体的には、東証と大証の現物株市場とデリバティブ市場が来年以降に其々早期の統合を目指し、商品分野の中核となっている東京工業品取引所を日本取引所グループが来年度(?)にも買収するといったシナリオが考えられる。

これを後押しする法案整備として、総合取引所における行政上の規制・監督機能を金融庁に一元化(現在、商品先物は経産省・農水省管轄)する改正金融商品取引法が、7月26日に参議院を通過し現在は衆議院において審議中となっている。今国会での突然解散でもない限り、衆議院も通過して法案成立する見通しだ。

 ここまでは行政主導の総合取引所構想だったので、主体となる証券・金融業界においては少し醒めたような反応だったが、総合取引所は間違いなく日本にもあった方が良い。投資家からみると、グルーバル化が進んでいるので、商社などのように海外市場で商品先物を取引すればヘッジや投資が済んでしまうのが現状かもしれない。しかし、取引所というインフラが活発に稼働するなら、それに伴う取引業者が増加し、決済の為のサービスも拡大する。市場を分析し、助言する業者も増える。つまり、産業として取引所を起点にした金融サービスが拡大していくことが期待できる。
当然のことだが、その為には多様な投資家を取引所に呼び込む強みも必要だ。

例えば、個人投資家にとって総合取引所では何がメリットかを考えた場合、一つの証拠金枠で証券指数先物でも商品指数先物でも利用可能なることだろう。さらに同じ資金なら、信用取引の保証金にもデリバティブ取引の証拠金にも両方に転用できる方が良い。その為には、先ず金融デリバティブの清算機能と商品先物の清算機能が一体化される必要がある。
しかし、総合取引所においてそれが実現する為には、
日本取引所スタート(来年1月)⇒現物株市場、デリバティブ市場毎の統合⇒日本取引所における東京工業品取引所の買収⇒商品も含めた精算機関業務の統一
と、少なく見積もってもまだ数年かかりそうだ。

実は、現在でも個人投資家にとっての総合取引所的機能を提供するサービスが既にある。CFD(Contract for Difference=差金決済取引)取引だが、取引対象は個別株式・金融指数先物・商品先物指数・債券先物など世界中で市場のあるものが対象となり、個人からみるとまさに総合取引所的取引機能を提供しているCFD専業者も数社ある。取引の仕組みは、店頭FX取引と全く同じで、投資家にはオファー(売値)・ビット(買値)が提示され、投資家がそれをヒット(インターネット取引ではクリック)すれば取引が成立する。4年程前から、日本におけるサービスが始まっているが、実はこのCFD取引が当初期待したほど取引が拡大していない。日本証券業協会によると、本年3月末の口座数は145,258口座で前年比僅か5%程度の伸び、証拠金残高は82億円と、ほぼ前年度並みに留まる。
理由は、個人にとっての投資環境が良くなかったことと、CFDが拡大する前にレバレッジ規制や不招請勧誘禁止などの勧誘規制が先行してしまったことが挙げられている。

しかし、本当にそれがCFD取引の拡大していない理由だろうか。個人投資家にとっても総合取引所的機能サービスが必要なら、問題はむしろサービスの提供者(CFD業者及びCFDを取り扱う証券会社・FX事業者)の方にあるのではないだろうか。

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