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2017/06
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大手ネット証券の最近の戦略
 最近は大手ネット証券と言うと、既存の5社にGMOクリックと岡三オンラインを加え、7社を指す。4月以降の日本株取扱いを売買代金ベースで並べてみると、SBI・楽天・GMOクリック・カブドットコム・松井・マネックス・岡三オンラインという順番になるが、特にシェアアップが目立つGMOクリックは、委託手数料を大きく引き下げたことで、デイトレーダー層などのネット取引のヘビーユーザー獲得に成功しているようだ。

この影響で、信用取引の手数料引下げ競争がネット取引全体に及んでいるが、最近はネット証券にとっての聖域と言われた信用取引金利でも、金利引き下げ競争が起きている。

ネット証券間で、主要顧客であるデイトレーダーや大口投資家の争奪戦を行っているわけだが、いよいよネット証券も競争激化から淘汰の時代かというと、そういう事でもないように思う。

今まで、ネット証券は大手や中堅証券の対面営業の顧客層を格安の手数料で取り込んで、大きく成長してきたが、上記の様に信用取引の金利まで競争が及んでいるのは、ネット証券間で顧客獲得競争が一段と激しくなっていることを示している。この結果、営業収益の6割から8割を占める日本株取引関係(手数料と信用取引の金利)の収益性を悪化させるのは避けられないだろう。しかし、主要なネット証券では、個人投資家による投資家対象のグローバル化や多様化に対応し始めており、個人にとって投資の総合取引プラットフォーム化としての機能を整えつつある。
海外市場上場株やETF、FX取引や商品CFD、外債や公募投信といった個人が直接投資可能なものを取扱う将に個人向け“総合取引所”的存在になりつつある。

個人投資家が、東証・大証を中心にした総合取引所のメリットを得るようになるのは、おそらく市場が統合され商品取引所も参加するであろう2~3年後になるだろうが、1部の主要ネット証券では、この役割を既に果たしている。

 しかし、総合取引所化したネット証券にも悩みがある。それは、この総合フラットフォーム化したインフラの維持費用が年々拡大傾向にあり、システムコスト圧縮が命題の収益基盤を圧迫する要因となっていることだ。海外取引所への取次ぎ費用、大量の取り扱い投信の管理負担、外債販売の販売コスト増加、などだが、主な収入源の日本株や関連デリバティブ取引においても、取引所の高速化やコロケーションに対応すべきコスト負担が増加している。

 その為、最近はネット証券としてのビジネスを、水平にあるいは垂直に拡大しようという戦略が取られている。水平方向の拡大の意味は、対面営業の証券会社に対して、機能の一部提供を行うことだが、具体的には、投信や外債などの販売商品の仲卸的供給、自社の仲介ビジネス拡大の中での証券会社の金融商品仲介業者化支援などが上げられる。また、機関投資家などに高速化対応した取引機能を提供し、顧客層を拡大しようとする動きもある。
一方、垂直方向の拡大は、直接投資家に接することで最も川下にいるはずのネット証券において、その上流部分に進出しようとする動きで、例えば店頭FX取引では、取引の直接カバー先を、FX業者や金融機関などから、自社グループ内に新たに設立したカバー先で行うようなっている。銀行やローン会社との提携強化も、川上部分への進出とも言える。

この様に現状は、ネット証券が主戦場である日本株関連取引での競争激化を乗り越えながら、多様な戦略を展開する段階にあるが、個人投資家の投資スタンスも変化しているので、結果を見極めるのはそれ程遠い未来ではないだろう。

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