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2017/11
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株式の値段の決め方について
上場されている株式の値段は、当然取引所で決まるが、その取引所においてシステムが超高速化し、アルゴリズムを利用したシステム売買HFT(High-Frequency Trading)が取引量の4割も占めるようになって、改めて株式の売買価格決定のあり方を考える必要があるのではないかと思う。日本証券経済研究所の福田主任研究員“取引を行うことは意外に難しい〜袋セリからHFT まで〜”を読んで、改めて考えさせられた。
 株式の値段の決定方法は、オークション方式(個別競争売買)とマーケット・メーク方式に分けられるが、東証の株式売買ではオークション方式が取られておりその定義は次の様なものだ。

“売呼値の競争と買呼値の競争を個別的に行い、最も優先する売呼値と最も優先する買呼値とが値段的に合致するときに、その値段を約定値段として売買契約を締結させる方法”

つまり売値と買値の株数が合えば売買が成立するのだが、ここでひとつの問題がある。この方法だと、例えば大口の売り注文が入った場合、買い注文の出し手が発注行為を控える傾向が強まる。買い手にとって、何か自分達の知らない不利な情報があるのではないかとの思惑が先行しやすい事と、その指値の直ぐ下で売って大口注文の売り指値が引き下げられたところで買い戻すサヤ抜き行為を誘発しやすう事など、本来の需給関係より決定される価格より押し下げられやすくなる。

 その為、大口注文者は発注を細分化して連続して注文できるシステム売買(取引所や売買を仲介する証券会社が機能を提供)を利用するのが最近の傾向だ。
また、金融商品取引法では故意に約定の意図のない大口注文を発注しかつ取り消す行為を、公正な価格形成を阻害するとして禁止している。(不公正取引行為)

 ところで、HFTはプロッブハウスや証券会社による極めて短期のマーケット・メークやサヤ取り行為に利用されるが、ヘッジファンドなどもHFTを利用した戦略を用いるとされている。
冒頭に紹介した資料では、これらのHFTプレーヤーがポジションを保有してから反対売買までの時間に分けて戦略を示している。

・1分未満=最適な価格と執行を推定する計量的なアルゴリズムを用いてマーケット・メークを実行する
・10分以内=価格推移を観察しながら、他の取引者の注文パターンを解析、それを利用して取引を行う
・1時間以内=マクロ経済に関連するイベントを利用して、短期取引を行う
・1日以内=均衡からの乖離を利用して統計的裁定取引を行う

これらのHFTは、他の取引者より少しでも早く発注を行うという行動特性と、既に細分化されて通常の発注状況には隠れている大口注文を探すというのが、大きなテーマとして上げられる。
よって、他者の注文が入り難い銘柄はHFTの対象にはなり難い。つまり、HFTが流動性の向上に役立っているのは、一部の銘柄ということになる。
また、言葉の遊びではないがマーケット・メークと他の取引を誘引する目的で行う裁定取引の区別は、分かり難い。

 勿論、時代の進化に合わせて売買方法も変わっていくべきだと思うが、個人投資家まで含めて理解できる売買制度の議論と維持が必要なのではないだろうか。

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