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個人の投資をどうサポートするか~平成25年度税制改正要望より
 個人の投資活動について、その投資目的と投資対象がしっかりしていることが大原則ですが、それでも税制などを通じた政策支援が大きく影響します。9月6日、金融関係などの各種団体より意見を金融庁が取り纏めて、平成25年度税制改正要望が公表されていますが、個人の投資に関する主なものは、次の3つです。

○[経済金融情勢が急変した場合には] 、軽減税率の延長を行うこと
カッコ内は、前提条件ですが、前回の平成23年度税制改正大綱において譲渡益課税の軽減措置を延長した際、経済金融情勢が急変しない限り、譲渡益課税を平成26年1月より本則の20%課税に戻すとしていますので、この文言が使われています。この2年間、東日本大震災もあったし、欧州債務危機も深刻化した、加えて中国経済の減速傾向が鮮明になっている、だから個人の投資環境も良くないで、現在の譲渡益軽減措置を延長して欲しいというのが業界の要望になります。
ただし、振り返ってみると現在の譲渡益課税10%の軽減措置は暫く続いているように思います。そこで、証券税制の変遷を簡単に見直してみました。

☆証券税制の変遷(概略)

この図の様に、株式の売却益(譲渡益)は、昔は非課税でした。それが、1989年バブル真っ盛りの時期に原則課税に変わりました。しかし、課税方法は申告(税率26%)と源泉の2つの方法があって、源泉方式を選択すれば、譲渡益が5%と見做すことが出来、結果として実質的な税率は抑えられていました。この源泉方式は2003年に廃止になり、その代り申告方式の税率が20%に引き下げられていますが、スタート時の2003年から同時に軽減措置が取られ、現在まで4回、同措置が延長されています。
つまり、株式の売買に関わる利益に対して、20%の課税がなされた時期はありません。

この様に、譲渡所得の軽減措置に対する要望は、業界のみならず投資家にとっても強いニーズがあります。

一方、若し軽減措置を撤廃するなら、非課税の投資枠に係る制度とちゃんと整備して欲しいというのが、次の税制改正要望になります。

○日本版ISA(少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置)の恒久化等
・投資可能期間を(平成26年からの3年間だけでなく)恒久化すること(少なくとも、全体で500万円以上の投資枠を設定すること)
・対象商品を拡大し、公社債・公社債投信への投資を可能とすること
・毎年新たな口座の開設を不要とする(原則一口座とする)こと

次に、非課税枠以外の投資に対して、個人が様々な金融商品を利用しやすくするために3つ目の要望となります。

○金融商品に係る損益通算範囲の拡大及び公社債等に対する課税方式を変更すること
配当や利息と、売買に関する損益の通算、損失額の越年度繰越し、店頭デリバティブの申告分離化など、今までの税制改正で金融商品一体課税に向けて改められていますが、それでも株式や投信、債券、デリバティブ間を跨いだ損益通算は認められていません。また、現在の課税方法が各金融商品間で異なっており、もし一体的に損益通算するなら、相当のシステム対応とその準備期間が必要となります。要望は、早めに対応期間を含めた方向を示して欲しいという内容です。

何れにせよ、譲渡益課税をどうするか、個人の非課税投資制度と損益通算をどうするか、投資家のみならず証券会社・金融機関にとって大きな課題となっています。勿論、国の政策としても。

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ジャンル : ビジネス

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