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2017/08
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望まれるライツ・オファリング=その2
 前回は、大規模な公募増資の代替手段としてのライツ・オファリングについて書きました。
ここで言う大規模なという意味は、発行済み株式に対して新株の比率が高い事を指します。リーマンショック以前は、公募増資と言えばせいぜい発行済み株式に対して15~20%程度の新株発行でしたが、危機後は3~5割を超えるものも目立ちました。この大規模な公募増資の代替手段として、コミットメント型ライツ・ライツオファリングの制度が整備されましたが、このタイプの事例はまだ出ていません。

 一方、企業が新株の発行を株主に引き受けてもらうのが株主割当増資ですが、2年前のタカラ・レーベンや先頃公表されたエー・ディー・ワークスのライツ・オファリングは、この増資方法の代替手段に近いものです。通常、大規模なファイナンスを検討する時、既存の大株主がどの様に協力してくれるか上場企業としては検討しますが、株主割当増資はこの大株主などの協力を前提に、既存株主だけに新株の引受を依頼するものです。

株主割当増資とその代替手段となるノン・コミットメント型ライツ・オファリングについて、簡単に説明しますが、
①株主に対して、無償で新株予約権を割当てます。
②この時の新株の発行価額は、時価の数割~半額まで低いものが一般的です。
③ここまでは、ライツ・オファリングも株主割当増資も同じです。
④株主割当増資は、新株の払込みに株主が応じなければ、その分の新株予約権は失効しますが、ライツ・オファリングは、株主に無償で割当られた新株予約権(ライツ)が、上場され売買が可能となります。
⑤よって、新株の払込みに応じない株主は、ライツの売却代金を受け取り、増資による希薄化の一部を補うことも可能です。
となりますので、ライツ・オファリングの方が株主の選択肢が増えることになります。

ここで一旦まとめますと、
◎大規模な公募増資の代替手段=コミットメント型ライツ・オファリング
◎株主割当増資の代替手段=ノン・コミットメント型ライツ・オファリング
となり、ライツ・オファリングを使う事で、それぞれ既存株主がファイナンスで受ける希薄化のダメージは緩和されることになります。

 但し、公募増資は新株に対する主に投資家の需要を、株主割当増資は新株に対する株主の需要を見込むファイナンス方法になりますが、ライツ・オファリングであればコミットメント型・ノン・コミットメント型のいずれであっても、既存株主及び投資家の両方の需要をどの様に見込むかが重要になります。
 一方、投資家にとっての新株の供給チャネルについて言えば、公募増資であれば引受証券会社だけですが、ライツ・オファリングなら上場されたライツを買い、新株の発行に応じることも出来ます。つまり、資金調達の目的やファイナンスによる成長に期待するなら、投資家はどの証券会社からも対応は可能です。(※現状では、ライツの取り扱い証券会社は限られています。)

 なお、証券会社にとってのライツの取り扱いについて、株主に割り当てられたライツの売買に関する助言、株主のライツの権利行使(新株の払込み)に対する助言、投資家のライツの売買に関する助言、投資家のライツの権利行使に対する助言、と4つの助言活動に分かれますが、例えば、コミットメントした証券会社が、株主にライツの売却を薦めるのは少し違和感があります。取り扱う証券会社での対応は、今一つライツ取扱いの実績の積み上げが必要な様にも思います。

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テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

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(非公開コメント受付中)

勉強になりました。
こんにちは

私はライツオファリングに関心があり、
タカラレーベンやエーディーワークスの事例を研究しています。
現在、関連のブログも書いています。

また寄らせていただきます。
ありがとうございました。
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