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2017/06
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公募増資は売り材料なのか?
 改めて言いますと、資本市場の基本的な機能は、上場する企業の株式への流動性を与えることと、上場企業等へのリスクマネーの供給すること、つまり流通市場と発行市場の役割です。流通市場の方は、リーマンショック後のリスクオフから、最近は日本の政策期待相場へ大きく転換したようですが、発行市場の方はどうでしょうか。

公募は売りといった投資家の意識が、増資インサイダー問題の背景にあると考えますが、本来は投資家からリスクマネーを調達して次の成長を目指す訳ですから、買い材料でも良いはずです。しかし、調達資金の効果が分かり難かったり、希薄化が大きく既存株主のダメージが大きい場合、取りあえず目先の需給関係を想定して、売り材料とするというのが現在の市場の定説になっています。

但し、変化の兆しを感じる動きもあり、1月16日に決議された産業ファンド投資法人(J-REIT:3249)では、増資決議後、増資を評価して買われています。
このファイナンスのポイントについて、以下の様に考えます。
・J-REITということもあり、調達した資金が何に使われ、その投資効果がどうなるか、投資家側も想定しやすかった。
・発行済みに対して、増資でどの位新株式が増加するか、希薄化率に関しては11.2%に留まった。

 増資インサイダーの対象は、2009年や2010年の公募増資銘柄ですが、それぞれ50社程度の上場企業が約5兆円、約3.3兆円の公募増資を行いました。その為、銘柄別の希薄化率も3~4割という大規模な希薄化がおき、また業界を代表するような銘柄でしたので、業種及び市場全体の需給関係にも大きく影響しました。
 流石に海外の機関投資家から、日本の公募増資のあり方はおかしいとの指摘が2011年夏にされましたが、その後、公募増資インサイダー問題が顕在化しています。

 昨年2012年の公募増資は、証券業協会の集計によると以下のような概況です。
・公募実施38社、調達資金総額4,615億円(内、海外調達分702億円)
これは、2009年、2010年に比べ大幅な減少となっていますが、2011年の9,124億円(内、海外調達分4,104億円)に比べても半減しています。特に海外調達分の大幅な縮小が目立ちます。
また、希薄化率を見てみますと、増資インサーダー問題が顕在化した昨年4月以降の公募増資では、全日空に39%を除けば、概ね10~20%の範囲に収まっています。

少し硬い言い方ですが、公募増資においても、希薄化でダメージを受ける既存株主への配慮や、新規の投資家需要ニーズを勘案し、発行会社自らが発行規律を意識し始めたのではないかと推察します。


 一方、公募増資は新規投資ニーズを掘り起こす訳ですから、投資家に勧誘行為を行う証券会社の役割も大きく、健全な発行市場を維持し公募増資を売り材料としない為、公募増資に関与する証券会社を可能な限り増やす仕組みも、また業界に求められていることだと考えます。

 新しい投資需要を掘り起こす機能は、証券会社にある重要な機能だと信じています。


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