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2017/08
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M&A業務の障害-取り除く努力を
 3/31の日経記事、”米国株主10%ルール・日本企業、M&Aの重荷に”といった記事を見て、未だに、この様な事をしているのかといった、少しの怒りと失望を覚えた。
 自国法を他国の企業に押し付ける米国に対してでも、スケジュールを延ばさざる得なかった統合予定企業に対してでもない。
 それは、M&Aマネージャーとして高い手数料を得ている投資銀行に対してである。
 ケースとして、新日石と新日鉱HDの企業統合の件が取り上げられていたが、冒頭の米国ルールのせいで、昨年12月4日に発表した統合持株会社の設立が、当初予定の2009年10月から、2010年4月へ半年も延期される。この変化の激しい時代に、半年間の統合延期による企業の損失はいかばかりか。
 ここで簡単に米国株主10%ルールについて説明する。
経営統合後の会社で、10%以上の米国株主が保有する可能性があれば、
①SECに対して、登録届出書(Form F-4)を統合作業がスタートする前に提出する義務がある
②Form F-4の効力発生は、株主総会招集通知発送日まで。その為、全体の統合スケジュールが制約を受ける
③Form F-4には、米国会計基準に沿った財務諸表が必要となる
 この③によって、新日石・新日鉱HDは、過去統合した資産のデータを、10年前まで遡る必要があるとのことだ。
 市場は何も金融政策のみに迅速さを求めるのではなく、企業に対しても早急な環境への対応を求めているのであるから、この経営統合が米国株主10%ルールの対応で半年も遅れる事で、我が国資本市場へ与えるマイナスを、M&Aマネージャーたる投資銀行はよく噛み締めるべきだろう。
 M&Aにおける米国証券法の弊害としては、TOBにおける米国株主対応がよく知られているが、これは、米国株主がTOBに応募する可能性があるなら、米国での公告や届け出が求められる。その為、TOB実務上、米国株主の応募を排除する規定を設けて米国での対応を避けるケースが多い。
 日本の大企業のM&Aマネージャーに求めたいのは、この様に実務的に法規制に対応するのみではなく、金融サミットも開かれ今後の金融行政に関する国際協調や連携も強まるのであるから、M&A実務に弊害のある形式的法律問題を、実質的目的に沿うよう米国に申し入れるよう行政を支援するアイディアを出すことではないか。プロはプロとして行政に物申す、その方がプリンシプルベースを模索する金融庁にも協力していくことになると、日本の投資銀行に期待したい。
 ちなみに、米国株主10%ルールの例外として、
 ○米国株主が、対象会社の他の株主と平等に取り扱われること
 ○株主に対して一定の情報開示がなされること(Form CB【Form F4より簡単】のSECへの提出)
の、海外企業に対する配慮もあるようであるが、筆者は米国法を解説する立場ではない。
 
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