*All archives* |  *Admin*

2017/06
<<  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30  >>
空売りはどう変わるか?多分11月から
 前回示したような空売り規制が見直されると、何がどう変わるのかという事について述べたいと思います。
空売り規制の4つ課題の内、ネイキッド・シュート・セリングの禁止と自社株取得規制の緩和措置については、これが恒久化されるという事ですから、現状とはあまり変化がありません。

最も影響が大きいと思われますのは、アップティック・ルールの実質的な撤廃ではないかと思われます。
特に“個人の空売り=信用取引での売り”が行いやすくなりますので、現物株を保有して配当や株主優待などの権利を得て、リスクを限定するために信用取引で売る“つなぎ売り”などの利用が増えることが予想されます。また、個人投資家であっても手数料の安い信用取引での売買を利用することで、保有株式の単価を引き下げる目的で売買を繰り返すことも考えられます。
一方、機関投資家の売買においては、アルゴリズム取引などのシステム売買が行いやすくなるのではとの指摘がありますが、この部分は余り変化ないのではないでしょうか。既にアルゴリズムとして現行のアップティック・ルールが組み込まれているのを外すだけでは、大きく取引量が増加することには繋がらないと考えます。
規制の見直し案において、PTSでの取引もアップティック・ルールの対象とするとありますが、現行では認められていない信用取引を、PTS側の体制が整えば認めるのではないかと推量します。

結果としては、個人投資家の信用取引利用が増えると予想されますが、このニーズに対応する為に、信用取引での売りに必要となる“貸せる株式”の調達力の差が証券会社によって大きくなりそうです。証券会社が個人投資家に貸す為の株式の調達方法は、次の2つです。
・証券金融会社から借りる(制度信用取引)
・自社内の顧客、貸株市場(金融機関内のOTC取引)から株式を調達する(一般信用取引)
このうち2つ目の部分が、証券会社によって対応が大きく違ってきますし、結果、個人投資家に貸せる株式の違いとなります。リテール証券会社での信用取引対応力の差は、貸株市場での株式調達力の差とも言えます。

2つ目の空売り報告(大口の空売りポジション)の問題は、一般の個人投資家は余り関係なさそうに思われますが、“空売り=いずれ株式を買戻し、借りた株式を返済する”と見做せば、空売りさせている株式は仮需用といった見方もあります。現在は、空売りされたものは以下の様な公表が行われています。
・信用取引の売り残高として、銘柄ごとに取引所が公表(前週末の状況を、火曜夕刻に公表)
・証券会社が係った株式の貸し借りを、銘柄ごとに証券業協会が公表(前週末の状況を、木曜夕刻に公表)
・発行済みの0.25%以上の空売りポジションを持った者は、取引所に報告する義務があり、現状ではこの個別報告書を取引所が日々公衆縦覧(銘柄ごとの集計は行われない)

これらの報告を勘案して、空売りから想定される仮需要をどう判断し投資家に示していくかは、証券会社の仕事かも知れません。ただし、ネット取引が進んでいる現状では、特に3つ目の空売り報告が個人投資家の投資判断にとって解り易い方法で公表されることも、また必要ではないかと考えます。


スポンサーサイト

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

Secret
(非公開コメント受付中)

最新記事
カテゴリ
最新コメント
プロフィール

ポーラスター

Author:ポーラスター
2009年1月スタート

最新トラックバック
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
RSSリンクの表示
参考文献
QRコード
QRコード